旌善アルペンセンターで12日、スノーボードクロス決勝が行われ、男子LL2(ひざ下障がい)の成田緑夢(近畿医療専門学校)が銅メダルを獲得した。レース後、成田は「嬉しいです。前回ソチ大会のメダリストが全員出ている舞台で勝ち上がれたし、トップと争えることを証明できた」と語り、笑顔を見せた。
今季世界ランク1位の成田は予選を全体トップタイムで通過。2人一組の4ヒートで行われる決勝トーナメント1回戦と準々決勝を圧倒的な強さで勝ち上がった。大勢で埋まった観客席ではたくさんの日の丸が揺れ、金メダルの期待が高まったが、準決勝でまさかの展開が待っていた。ソチ大会銅メダルのキース・ガベル(アメリカ)をスタート直後からリードするが、中盤のバンクで転倒し、逆転を許した。
気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦では、ソチ大会金メダリストのエヴァン・ストロング(アメリカ)と対戦。相手が中盤でコースアウトしたため独走態勢となったが、最後まで攻めの滑走でゴールした。「金メダルが獲れなかったという思いはない。“常に挑戦はやめない”という目標にフォーカスしていたので、そういう意味では完璧な銅メダルです」と言葉に力を込めた。
また、男子LL1(ひざ上障がい)の小栗大地(三進化学工業)は、決勝トーナメントに進出。準々決勝で今回準優勝のクリス・ボス(オランダ)と最後まで激しく競い合ったが、惜しくも敗退した。1回戦ではスタートゲートの故障で40分ほど待たされる不運もあった。レースは再開したが、「体が動いてくれなかった」と振り返る。だが、「最後にクリスと良いレースができたので、そこは清々しい気持ちもある。今日は正直緊張したが、これでパラリンピックの雰囲気を味わったので、16日のバンクドスラロームはしっかりと滑りたい」と力強く話し、前を向いた。
山本篤(新日本住設)も決勝トーナメントに進出したが、1回戦で敗れた。小栗同様、山本と成田も次戦のバンクドスラロームにエントリーを予定している。
ノルディックスキー距離では、女子15キロフリー立位の出来島桃子(新発田市役所)が7位に入った。日本選手団最年少の川除大輝(日立ソリューションズJSC)は男子20キロフリー立位で9位だった。
パラアイスホッケーは、グループAはカナダとイタリア、グループBはアメリカと韓国がそれぞれ2勝とし、1次リーグ最終戦を待たずに準決勝進出を決めた。韓国とイタリアは初めての4強。日本は13日にチェコと対戦し、その後は順位決定戦にまわる。
(取材・文/荒木美晴、撮影/フォトサービスワン・植原義晴)