
車いすカーリングの国内最高峰の大会「第21回ナブテスコ日本車いすカーリング選手権大会」が長野県の軽井沢アイスパークで開幕。今大会は北海道ブロックから2チーム、本州ブロックから3チームの計5チームが出場し、クラブチーム日本一の称号をかけて争うもので、まずは23日から2日間にわたって総当たりの予選リーグを実施した。
どのチームも実力が接近している今大会。予選リーグでは、チーム札幌が昨年準優勝のチーム長野から初勝利を挙げ、また昨年は予選敗退だったease埼玉が昨年度チャンピオンのKiT CURLING CLUBに競り勝つなど混戦模様に。最終戦ではチーム札幌とease埼玉が対戦し、6-2でチーム札幌が勝利して3勝1敗で並び、直接対決を制したチーム札幌が1位通過となった。準決勝は2位のease埼玉と3位のKiT CURLING CLUBのカードに。KiT CURLING CLUBのリベンジマッチに注目が集まる。決勝は1位のチーム札幌と、準決勝の勝利チームが対戦する。
試合中も刻々と氷の状態が変化していくカーリング。とくに、スイープがない車いすカーリングはいかに氷の状態を読み、正確なドローショットを決めるかが勝敗の鍵となる。競技2日目の予選リーグは3試合連続の試合となったease埼玉のスキップを務める中島洋治は、「第1エンドのスタートは氷が重く、普段はそこからさらに重くなるが、今回は逆に速くなって、ウエイトも感覚が掴みづらかった。カールもいつも以上にあった。初日の1試合を経て、よく曲がるアイスだと分かったので、ストーンの回転数を多くして調整した」と、ベテランならではの冷静な対応で乗り切ったことを明かした。
中島と小川亜希は今春のミックスダブルス世界選手権で優勝し、ミラノ・コルティナ2026パラリンピックの日本代表に内定している。金メダル獲得はチームにもいい影響を与えているといい、「みんなの刺激になって、いい方向に向かっていると思う」と力強く語った。

昨年2位のチーム長野は予選リーグ1勝3敗で無念の敗退となった。ease埼玉との試合は後半に逆転を許すも最終第8エンドで同点に追いつきエキストラエンドに突入したが、ガードが中に入りすぎるなどショットの精度がわずかに落ち、そこを相手に突かれて敗れた。また、本州ブロック予選優勝のチーム山梨は3敗で迎えた最終戦でKiT CURLING CLUB を下して1勝をマーク。予選リーグ敗退となったが一矢を報いた。
(取材・文・写真/荒木美晴)