パラアイスホッケーの国内クラブチームの頂点を決する「第30回国内クラブ選手権大会」が26日、名古屋市の日本ガイシアリーナで開催された。東海エリアで開催されるのは初。前回優勝の長野サンダーバーズ(以下、長野)、地元の東海アイスアークス(以下、東海)、ロスパーダ関西(以下、関西)の3チームが総当たりで対戦し、長野サンダーバーズが全勝優勝を果たした。なお、今大会不参加の東京アイスバーンズと北海道ベアーズから6選手が個人参加し、それぞれ東海と関西に加わって戦った。
日本代表選手を多数擁する王者・長野は、初戦の東海戦から盤石の強さを発揮。第1ピリオド3分で先制点を奪うと、抜群のスピードと連携プレーでゴール前に攻め込み、コンスタントに得点を重ねた。8点リードで迎えた第3ピリオドは、相手のペナルティによるパワープレーの場面でキャプテン吉川守(FW)が好機を見逃さずゴールを決めると、直後のフェイスオフでもパックをキープして連続得点。さらにリードを広げ、15-0で勝利した。
長野は関西との試合も11-2で勝利。吉川によれば、ホームリンクが3月頭で今季の営業を終えた影響もあり、今年に入ってからのチーム練習は2回のみだという。その影響か、第2ピリオドは思うように流れを引き寄せられない反省点もあったが、「みんなに『楽しいホッケーをしよう』と声をかけて臨んだ。個人としては思った以上に走れたし、チームとしてもよかったと思う」と振り返った。
関西は東海に13-0で勝利し、1勝1敗で準優勝。当初のエントリー予定から人数が減ったものの、個人参加の東京と北海道の選手とも息の合ったプレーを見せた。東海戦では、開始3分で小林寛明(※東京/FW)がチームを勢いづける先制点を奪取。攻守の要である伊藤樹(DF)は、スピードを活かしてリンクを縦横無尽に動いて幾度とチャンスメイクし、9ゴール3アシストの大車輪の活躍を見せた。関西は参加チーム中、唯一の女子選手である鈴木さくら(FW)も奮闘し、チームの勝利に貢献した。
東海は地元の声援を力に氷に上がった。第1試合、第2試合と連戦となり、体力の消耗もあるなか、全員プレーでゴールを狙った。今大会は得点をマークすることはできなかったが、2019年のチーム発足以降、新しい選手が育っており、今後の飛躍に期待がかかる。また、30回を迎えるクラブ選手権で初の東海地区での開催となり、実現に向けてスタッフらが奔走した。キャプテンの正橋幸夫(FW)は「チームスタッフに感謝したい。今度は僕らプレーヤーが人を呼べるような魅力あるプレーをしていきたい」と話した。
(取材・文・撮影/荒木美晴)