韓国・江陵ホッケーセンターで行われているパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)の世界選手権Aプールは20日、最終日を迎え、決勝トーナメント戦および順位決定トーナメント戦が行われた。その結果、1位カナダ、2位アメリカ、3位韓国、4位ノルウェー、5位イタリアが平昌パラリンピックの出場権を獲得した。
パラリンピックの出場権は残り「3枠」。その切符をかけて、今大会6位のスウェーデンと7位のドイツ、日本、チェコ、スロバキアが最終予選(今秋までに開催予定)で争う予定。詳細は5月のIPCスポーツテクニカルミーティングで決まる。
イタリア対スウェーデンの5-6位決定戦には大きな注目が集まった。5位に入れば平昌パラリンピックの出場権が与えられるが、負ければ最終予選にまわる“運命”の一戦だからだ。
絶対に譲れない戦いに臨んだ両チーム。均衡を打ち破ったのはイタリアだった。第1ピリオドに先制点を挙げると、第2ピリオドにパワープレーで、さらにペナルティで一人少ない場面でショートハンドゴールを決め、リードを広げた。最終ピリオドはスウェーデンも粘りを見せるが、守備を固めたイタリアがまたもやパワープレーから追加点を挙げ、4-0で勝利。イタリア人選手が笑顔で抱き合う一方、肩を落とすスウェーデン陣営。氷上には対照的な光景が広がった。
日本代表の須藤悟、吉川守、熊谷昌治の3人も現地会場でこの試合の行方を見守った。熊谷はスウェーデンの中心であるKASPERI Perを注目選手に挙げつつ、「ゴール前の守備が厚いチーム。(最終予選では)それをどう崩すかが鍵になりそう」と分析する。また吉川は「甘い考えは捨てて最終予選に臨む」と、改めて気合いを入れる。
キャプテンの須藤は4日間の視察を通して、世界のレベルを目に焼き付けた。「どのチームもディフェンシブ。これが世界のスタンダードになっていると思う」と話す。最終予選に対しては「日本もパスとシュートの精度を上げ、ミスを減らせれば勝機はあると感じた。この大会の結果を持ち帰ってチームで振り返りたい」と語り、前を向いていた。
【世界選手権A最終結果】
優勝 カナダ
2位 アメリカ
3位 韓国
4位 ノルウェー
5位 イタリア
<ここまでが平昌パラリンピック出場権獲得>
6位 スウェーデン
7位 ドイツ
※6、7位は平昌パラリンピック最終予選に出場、また7位のドイツは来期はBプールに降格
(取材・文・撮影/荒木美晴)