現地時間17日は、予選の結果を受け、A・B両グループの下位の2チームによるプレーオフ2試合を実施。第一試合のチェコ(グループA・3位)対イタリア(グループB・4位)は、ゲームウイニングショット(GWS)対決にもつれ込む接戦に。これをチェコが制し、勝利した。第二試合のスウェーデン(グループB・3位)対韓国(グループA・4位)は、2-1で韓国が勝利。チェコと韓国は5-6位決定戦、イタリアとスウェーデンは7-8位決定戦にまわることになった。
第一試合 チェコ 3-2 イタリア
第1ピリオド、先制点を挙げたのはチェコ。そのまま試合の主導権を握った。勢いに乗るチェコは、第2ピリオド3分21秒に、ゴール前で細かくパスをつないでZdenek KRUPIKA(FW)がシュートを放ち、貴重な追加点を入れた。2点をリードし、イタリアへ大きなプレッシャーをかけた。
だが、ここからイタリアが大反撃を開始。同じく第2ピリオドの中盤、相手陣地に積極的にパックを入れ込み、ゴール前の混戦からGianluigi Rosa(DF)が押し込んで、まず1点を返した。さらに残り時間1分を切った14分17秒には、キャプテンのAndrea CHIAROTTI(FW)がゴール前に走りこみ、Rosaからのパスをワンタッチであわせて強烈なシュートを決め、勝利への執念を見せた。
両チームあわせてここまでの4点は、いずれもパワープレー中での得点。一進一退の激しい攻防は、最終ピリオドもつづくが、ともに得点できず、試合は5分間の延長戦に突入。しかし、ここでも決定打が出ず、GWSにもつれこんだ。
1人目は、先攻のイタリアがはずしたのに対し、後攻チェコのErik FOJTIK(FW)が落ち着いてゴール。このあと2本目は両チームともはずし、イタリアの3人目もチェコの守護神・Michal VAPENKAがシャットアウト。この瞬間、チェコの勝利が決まり、選手らは勝利の立役者・VAPENKAのもとへ。リンクの上で抱き合い、喜びを分かち合った。接戦を制したチェコは、パラリンピック初出場ながら6位以上が確定した。
試合後、チェコのTomas ZELENKAヘッドコーチは、「先制したのに同点に追いつかれたのは、自分たちのミスがあったから。結果的に勝つことができて、ラッキーだった」と笑顔を見せた。また、GWSで最後のシューターだったイタリアのGian Luca CAVALIERE(DF)は、試合を振り返り、「チェコのVAPENKAは間違いなくベストゴーリーのひとり。あんなゴーリーが相手だと、リスクを冒さないとシュートできない」と悔しがった。
◆第一試合スコア
チェコ 1-1-0-0-1=3
イタリア 0-2-0-0-0=2
第二試合 スウェーデン 1-2 韓国
第二試合に登場したスウェーデンと韓国は、両チームともけが人を抱え、とくにスウェーデンは選手不足からベストメンバーで臨めない苦しいチーム状況で試合を迎えた。序盤はスローペースで展開。ともに決め手を欠くなかで、試合が動いたのは第1ピリオド終盤。スウェーデンのゴール近くのフェイスオフから、パックをキープした韓国が冷静にパスをつなぎ、9分27秒にCHO Young-Jae (DF)がゴール右隅にシュートを決めた。
対するスウェーデンは、第2ピリオド開始早々の51秒、韓国ゴール裏の混戦からパックを奪い取ったNiklas RAKOS(FW)が、そのままぐるりと回りこんでシュートをねじ込んだ。
両チームとも早い段階で追加点を入れておきたい最終ピリオド。先手を打ったのは韓国。開始から2分間は何度も相手ゴール前に詰め寄る猛攻をしかける。だが、初戦からマスクを被り、ゴールを守り続けるスウェーデンの守護神・Ulf NILSSONとディフェンスラインが踏ん張り、ピンチを救った。
攻守がめまぐるしく入れ替わるなか、3分45秒についに試合が動いた。リンク中央あたりの混戦からパックを奪った韓国は、PARK Sang Hyeon(FW)がディフェンスに倒されながらもLEE Jong-Kyung(FW)に横パス。しっかりとそれに合わせたLEEのシュートは、キーパー・NILSSONの身体に当たりながらスレッジの下に吸い込まれていった。これが決勝点となり、韓国が2-1でスウェーデンを下した。
韓国のキャプテン・HAN Min-Su(DF)は「すごくうれしい。次は5位6位決定戦。(16日に敗れた)チェコにリベンジだね。がんばって5位を目指します」と笑顔を見せた。スウェーデンのMarcus HOLM(FW)は、「疲れたよ。僕を含めて4プレーヤーは40分以上続けてプレーして、しかも2ラインしか作れない。僕らには新しいプレーヤーが必要だ」と話し、肩を落とした。
◆第二試合スコア
スウェーデン 0-1-0=1
韓国 1-0-1=2