北京2022パラリンピックは6日、雲頂スノーパークでスノーボードクロスの予選が行われ、日本代表の男子選手6人全員が7日の決勝ラウンドに駒を進めた。
日本勢は上肢障害(UL)の大岩根正隆(ベリサーブ)が11位、比較的程度の重い下肢障害(LL1)の小栗大地(三進化学工業)が6位、小須田潤太(オープンハウス)が7位、比較的程度の軽い下肢障害(LL2)の市川貴仁(エレマテック)が6位、岡本圭司(牛乳石鹸共進社)が8位、田渕伸司(兵庫県立和田山特別支援学校教員)が16位。
予想よりも温かい気温と、中国特有の黄砂が入り混じった人工雪に1回目は苦戦した日本勢。そのなかで、大岩根は1回目からベストタイムを1秒ほど上回る好走を見せた。仲間からは「ギア岩根」と呼ばれるほど板やワックスなど用具に詳しく、今大会も事前に黄砂対策を立てて不純物がつかないようなワックスを選んで使用して臨んでいる。雪の状態とコースの特徴を見極め、直線箇所でうまくトップスピードに乗り、タイムにつなげた。決勝ラウンドに向けて「ベストのラインを作れるように研究して明日を迎えたい」と力強く語る。
市川や岡本らは、大岩根からワックスを借りて2回目のタイムを伸ばした。普段の練習時から互いにアドバイスを送りあって競技力を高めてきた。北京入りしてからはさらに研究と会話を重ねているといい、この日の予選でも情報共有が生きた。キャプテンの小栗は「チームで盛り上がっているし、すごく雰囲気がいい」と笑顔。決勝ラウンドもチーム力で上を目指す。
スノーボードクロスはキッカー(ジャンプ台)やウェーブ、バンクなどが設置されたコースを滑り降りる種目。予選は1人2回ずつ滑り、タイムトライアル方式で順位を競う。男子の決勝ラウンドはそのタイムの上位16人が進出。決勝ラウンドは3人~4人が同時にスタートしてレースを行い、2位までが次のラウンドに進むことができる。
(取材・文/荒木美晴、撮影/Kohei MARUYAMA)