杭州2022アジアパラ競技大会 — 2023/10/24 火曜日 at 6:38:34

【杭州2022】本格的に競技スタート! 陸上の井谷、堀がアジア新記録で金メダル獲得!

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「アジアのタイトルを獲りたい」と語る世界女王の里見(撮影/植原義晴)

杭州2022アジアパラ競技大会は23日から本格的に競技がスタートした。

20日から試合が始まっているパラバドミントンは、国際大会に出場する機会があまり多くない中国が各クラスで存在感を放っている。そんななか、女子シングルスWH1の東京パラ金メダリストで世界女王の里見紗李奈(NTT都市開発)は23日の初戦で中国の選手と対戦。相手選手を応援する中国語の「加油!(がんばれ)」が会場内にこだまするなか、圧巻のストレート勝ちを披露。試合後は「初戦で緊張した。アジアパラのタイトルはまだ獲っていないので優勝したい」と力強く語った。同SU5も強豪の中国やインドの選手がエントリーしている。前回大会は直前の怪我で出場を辞退し、2014年の仁川大会以来、9年ぶりの出場となった豊田まみ子(ヨネックス)はインド人選手に勝利して2戦。次戦は、東京パラ金メダリストの楊秋霞(中国)と対戦する。「彼女と自分がどう戦えるのか楽しみ。しっかりとラリーをして、勝ちたいという気持ちを忘れず挑みたい」と話した。

男子シングルスWH2の梶原大暉(日体大)は2勝。同SL3の藤原大輔(ダイハツ工業)もベトナム人選手に勝利して2勝とした。前回のジャカルタ大会ではフルセットで敗れた相手で、その時以来の対戦となり「5年前の借りを返したいと気合を入れて臨んだ」と藤原。今大会は来年のパリパラリンピックのポイントレースの対象大会のひとつだが、藤原は「アジアパラは3度目だけど、まだ優勝したことがない。今回はどうしてもメダルがほしい。パリの前哨戦と捉えて、勝ちに行く」と、言葉に力を込めた。同SU5の今井大湧(同)も3勝目。「今年で一番大事な大会だと思っている。コートを大きく使えているし、相手がどうしてきているか俯瞰で見えている。仕上がりとしては今年で一番いい」と、自信をのぞかせた。

怪我からの復帰途中ながら8位に入賞した西崎

パラバドミントン同様にアジア勢が世界を席巻するパラパワーリフティングは、男子49㎏級で西崎哲男(乃村工藝社)が130キロを挙げて8位、三浦浩(東京ビッグサイト)は116キロで10位だった。139キロの日本記録を持つ西崎は、右肩の怪我からの復帰途中。第3試技では「現状ではマックス重量」という134キロに挑戦したが、惜しくも失敗判定だった。それでも「最後までバーベルを押し切ることができたのは、12月の全日本につながる」と語り、前を向いた。

団体競技は予選が始まり、ブラインドサッカー男子はイランと0-0の引き分け。シッティングバレーボール女子は日本がモンゴルに3-0で勝利し、男子は韓国に敗れた。ゴールボール男子はイランに勝利したが、女子は強豪中国に4-5と1点差で敗れた。

陸上では、男子200m(T64)で井谷俊介(SMBC日興証券)が自身が持つアジア記録を0.5秒上回る22秒99で制し、金メダルを獲得。大島健吾(名古屋学院大)も2位に入った。また、女子砲丸投げ(F20)は堀玲那(岡山陸上競技協会)が11m93のアジア新記録をマークし、涙の優勝を果たした。水泳では、女子200m自由形(S14)を木下あいら(三菱商事)が制したほか、銀メダル1個、銅メダル5個とメダルを量産した。

カヌー・スプリントの女子カヤックシングル(KL1)は、瀬立モニカ(パラマウントベッド)が銀メダルを獲得。自転車の女子3000m個人追い抜き(C1~C3)は、杉浦佳子(総合メディカル)が2位に入った。柔道の女子48㎏級は半谷静香(トヨタループス)が決勝に進出。キルギスタンの選手に一本負けしたものの、堂々銀メダルを獲得した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)