2020東京パラリンピック, NEWS, 陸上 — 2021/9/3 金曜日 at 1:21:18

【東京2020】女子走幅跳は5mの壁に阻まれ、兎澤朋美4位、前川楓5位

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〈東京パラリンピック〉陸上/女子走幅跳T63(9月2日、オリンピックスタジアム)

陸上の女子走幅跳T63決勝に、兎澤朋美(富士通)と前川楓(新日本住設)が出場し、兎澤は6本目に4m39を跳んで4位、前川は4本目、自己記録に迫る4m23で5位となった。

金メダルを獲得したバネッサ・ロー(オーストラリア)は、両足義足でT61クラスの選手。自身の持つ世界記録を更新する5m16をマークしたのを筆頭に、3位までが5m以上を跳ぶなかで、試合後の日本人2人の表情は対照的だった。

涙を浮かべながら現れた兎澤は、「自分の心の弱さが出た」と、2回続けてファウルになったことで焦りが生じて本来の力を出せなかったことを悔やんだ。上位陣が5mを超えてくることは想定済みであったこと。そして自分もやるべき跳躍をすれば不可能ではなかったと、話すたびに涙があふれてくるのを必死にこらえていた。

「3本目くらいから試合自体を楽しめた」という前川楓

対して前川は、「めちゃくちゃ緊張した」と話しながらも終始笑顔。本番に向けて、髪はイエローベースのレインボーカラーにしてテンションを上げたが、最初はガチガチで1本目はファウル。落ち込みそうなところをコーチである山本篤と話すうちにリラックスできて、3本目からは試合自体を楽しめるようになったという。

涙の兎澤と笑顔の前川。まったく異なる感想を述べた2人だが、どちらも次に見据える目標は同じ、2022年に神戸で開催される世界パラ陸上競技選手権大会と2024年のパリ大会だ。今回メダル獲得を実現できなかった悔しさを、どう力に変えていくか。今後の2人の活躍に期待したい。

(取材・文/山本千尋、撮影/佐山篤)