「さいたま市ノーマライゼーションカップ2023」が25日、サイデン化学アリーナで3年ぶりに開催された。例年は女子日本代表の国際親善試合が行われているが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、今大会は女子日本代表、男子ナショナルトレセン、男子ユーストレセンの3チームによる2試合の対戦を実施。女子日本代表は男子ユーストレセンチームと対戦し、1－3で敗れた。
8月の世界選手権の出場に向けてチームづくりに取り組む女子日本代表は、エースの菊島宙、竹内真子、鈴木里佳、ゴールボールから転向した若杉遥、GK和地梨衣菜が先発出場。
試合は、序盤から激しい競り合いが続くなか、菊島がフェンス際の攻防からボールを奪ってゴール前に攻めあがるなど存在感を見せる。しかし、前半6分と11分に齋藤陽翔に得点を入れられ、追いかける展開に。後半2分には、斎藤にハットトリックを許して点差が開くが、同5分に菊島が左サイドの混戦から正面に回り込んでシュートを決め、1点を返した。しかし、その後は追加点を決められず、日本女子代表の勝利はならなかった。
菊島は試合後、「相手の攻守の切り替えが速くて、少し足が止まってしまった。ゴールを決め切れず、負けて悔しい。（男子日本代表の）川村（怜）選手みたいに、横への展開など攻めのバリエーションを増やしていきたい」と語り、世界選手権に向けては「アルゼンチンは身体能力が高い（ので警戒している）。プレッシャーもあるけれど、楽しみたい」と話した。
第1試合は、男子ナショナルトレセンチームが1－0で男子ユーストレセンチームを下した。序盤は、ユーストレセンチームがやや優位に試合を運ぶが、前半8分にナショナルトレセンチームの森田翼がゴール正面から先制ゴールを決めた。後半はほぼ互角の争いが続くが、両チームともゴールネットは揺らせず、ナショナルトレセンチームが逃げ切った。
大会前にユーストレセンチームの選手が負傷したため、ナショナルトレセンチームで出場を予定していた高橋裕人と永盛楓人はユーストレセンチームでの出場となった。メンバー構成の変更を余儀なくされたナショナルトレセンチームだったが、森田は「いろんな状況下で鍛えてきているので、これくらいの変化には対応できる選手がそろっている」と意に介さず。試合については、「相手をパスで崩せず、ボールをつないでシュートという形ではなかったけれど、唯一作れたチャンスで点が取れた。選手一人ひとりが、日の丸を背負っているという覚悟のもと、1分1分を大切に戦い切れたから勝てたと思う」と、力強く話した。
（取材・文／荒木美晴、撮影／植原義晴）
