東京・品川区立天王洲公園で開かれている「Santen IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ2021 in 品川」は5日、最終日を迎えた。前日までの総当たり戦で2勝2分けとし、初めて決勝に進出した世界ランク12位の日本は同1位のアルゼンチンと対戦し、0-2で敗れた。アルゼンチンは3連覇を達成した。また、3位決定戦はスペインがタイを1-0で下した。
決勝:アルゼンチン 2-0 日本
総当たり戦で2日前にスコアレスドローの死闘を繰り広げた両チーム。日本は初めての決勝進出、アルゼンチンは3連覇をかけて臨んだ。アルゼンチンは絶対的エースのマキシミリアーノ・アントニオ・エスピニージョを中心に攻撃を展開。対する日本はコンパクトで組織的な守備で相手のチャンスの芽を摘んでいく。だが前半9分、左サイドのフェンス際でボールを持つエスピニージョに対して一瞬、守備に穴ができたところをドリブルでカットインされ、失点。同15分にも同様の形で追加点を許し、2点ビハインドで前半を終えた。
後半はキャプテン川村怜がスペースから積極的にシュートを放つが、惜しくもゴールにつながらず。試合時間残り5分で再び猛攻をしかけるが、アルゼンチンの堅守を崩せなかった。
何度も倒されながらもエスピニージョを終始マークした田中章人は試合を振り返り、「相手の強さは想定の範囲内だった。しかし、2点目は日本の声の連携ミスを突かれて失点したので、ファール覚悟でも距離感を詰めるべきだったかもしれない」と悔しがった。
日本代表の高田敏志監督もミスからの失点を「もったいない」としつつも、「(世界1位のアルゼンチンと対戦して)昔は耐えるのみでボールが前に出ない試合が続いたが、今回は意図的にボールと人を動かし、相手DFを潰せたというポジティブな要素もあった。その収穫をパラリンピック本番につなげたい」と話した。
3位決定戦:タイ 0-1 スペイン
総当たりの初戦では、世界ランク13位のタイが同3位のスペインを3-2で下して勝利。3位決定戦で再び対峙した両チームは、序盤から激しい攻防を繰り広げた。前半19分、タイのチームファールが累積6枚となり、スペインに第2PKのチャンスが与えられる。キッカーのユースフ・エル・ハダウィ・ラヴィのシュートはタイのGKが止めるが、ピッチに跳ね返ったボールをスペインがキープしてつなぐと、ゴール正面で待っていたアドルフ・サムエル・アコスタ・ロドリゲスが右足で合わせ、先制点を決めた。後半も互いに譲らない白熱した展開となるが、スペインがリードを守り切り、2年連続3位の座を守った。
最終順位は、1位アルゼンチン、2位日本、3位スペイン、4位タイ、5位フランスとなった。
(取材・文/荒木美晴)