パラバドミントン — 2022/10/31 月曜日 at 17:51:54

【世界バド2022】日本初開催! パラバドミントン世界選手権が1日開幕

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世界選手権開幕に先立ち、31日の公式練習が報道陣に公開された=国立代々木競技場第一体育館

「ヒューリック・ダイハツ BWF パラバドミントン世界選手権2022」が11月1日、国立代々木競技場第一体育館を舞台に開幕する。日本で世界選手権が開催されるのは初めてで、49カ国・地域から257人(うち日本人選手は15人)が参加する。

開幕を前日に控えた31日には公式練習が行われ、その様子がメディアに公開された。東京2020パラリンピックの男子シングルスで金メダルを獲得したWH2の梶原大暉(日体大)は練習後、取材に応じ、「今季で一番大きな大会で、日本開催。それに有観客で行われるので、タイトルを絶対に取りたい」と、意気込みを語った。また、東京パラでは単複ともに初代女王に輝いた女子WH1の里見紗李奈(NTT都市開発)は、「パラから一段階、力を上げられたと思う。シングルスと(山崎悠麻と組む)ダブルス両方で金メダルを目指す」と、力強く語った。

車いすカテゴリーでは、WH1の⻄村啓汰(パシフィック)、WH2の松本卓⺒(創政建設)が初出場。それぞれシングルスにエントリー予定で、西村は「世界選手権に出場できてうれしい。粘り強いプレーを見せたい」、松本は「緊張するけれど、一試合ずつベストを尽くす」と話した。

東京パラでは混合ダブルスで銅メダルを獲得した藤原。「チャンスをものにして、もう一回ヒーローになりたい」と語る

立位カテゴリーでは、男子SL3の藤原大輔(ダイハツ工業)がシングルスにエントリー。SL3のシングルスは半面で行われるため、ロングラリーが続き、高精度のショットと粘り強さが求められる。その中でも年々、攻撃にシフトした展開が増えており、藤原も「自分から仕掛けていき、コートを支配したい」と、言葉に力を込めた。

男子SU5の今井大湧(ダイハツ工業)にも表彰台の期待がかかる。東京パラ後は戦術面を見直し、今回の世界選手権に照準を合わせて調整を重ねてきた。5月のドバイ国際では2017年大会のチャンピオンで東京パラ銀メダルのスリョ・ヌグロホ(インドネシア)に初勝利するなど、好調を維持。今大会は「(東京パラ金メダリストの)リクハウ・チア選手に勝ちたい」と語り、前を見据えた。

その今井と混合ダブルスでペアを組む女子SL3の伊藤則子(中日新聞社)は、怪我を乗り越えて今大会に挑む。8月のタイ国際で健足側のアキレス腱を痛め、1カ月半はコートに立てなかったという伊藤。辛抱強くリハビリに取り組み、9月末に復帰を果たした。女子SL3シングルスは、パラリンピックでは2024年のパリ大会で初採用となる。来年から始まるパリパラ出場をかけたポイントレースを視野に、「今大会で良い結果を出して、来季につなげたい」と話した。

今大会は観客を入れて開催する予定。東京都内の小・中学校の生徒らも観戦に訪れる。東京パラでは、金メダル3、銀メダル1、銅メダル5個を獲得した日本勢。今大会は1年前は叶わなかった”会場での観客の応援”を力に変え、再びのメダル量産なるかに注目が集まる。

(取材・文・撮影/荒木美晴)