水泳 — 2020/8/24 月曜日 at 11:37:36

【東京パラまで1年】木村は悲願の金メダルに向け「毎日を積み重ねていくのみ」

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パラ1年前リモート会見で東京大会への思いを語った木村敬一(撮影/植原義晴 ※写真は昨年の春季記録会時のもの)

日本身体障がい者水泳連盟と日本知的障害者水泳連盟は22日、東京パラリンピック1年前リモート会見を行った。

新型コロナウイルス感染症の影響で来年5月に延期された「ジャパンパラ水泳競技大会(横浜国際プール)」を、東京パラリンピックの日本代表選考戦とすると発表。日本代表の上垣匠監督は「選考戦は8月のパラ本番の3カ月前のタイミング。その段階ですでに世界と戦えるよう、準備したい」と話した。東京パラの出場を目指す視覚障害クラスの富田宇宙(日体大大学院)は、「選考戦の5月に一度パラを迎えるつもりで臨み、自己ベストを狙う。そして、その勢いで本番を迎えたい」と力強く語った。

すでに代表内定を得ている木村敬一(東京ガス)は、「まだ手にしていない金メダルの獲得という目標を第一にトレーニングしていく。地元開催の東京大会は特別。その特別な瞬間を迎えられる幸せをかみしめて、精一杯やっていきたい」と、気持ちを新たにしていた。2018年からアメリカ留学をしているが、コロナの影響で現在は日本に留まっている。アメリカのコーチからもらったメニューを日本のプールでこなす日々だが、「いつパラが来てもいいように、毎日を積み重ねていくのみ」と、ブレずに前向きに取り組んでいることを報告した。

鈴木孝幸(ゴールドウィン)は、活動拠点のイギリスに数日前に戻ったばかり。徐々にジムやプールなどのトレーニング施設が再開し始めているといい、「日本と同じようにコロナ対策が徹底されていて、安堵した」とコメント。大学院での論文制作にも着手する予定で、再び多忙な日々を迎えようとしているが、「東京で金メダル獲得の目標は変わらない。コロナの予防対策をしっかりして、頑張っていく」と話した。

知的障害の東海林大(三菱商事)と山口尚秀(四国ガス)は、ともに代表に内定。山口はパラの延期について、「目標が遠ざかったけれど、逆にメンタルや基礎体力など足りない部分を補う時間ができた」とプラスに捉える。山口も「練習をレースと同じくらいの緊張感を持ってやっていきたい。自分に負けない気持ちを持ち、(自身が持つ)100m平泳ぎの世界記録を更新したい」と本番への思いを語った。

東京パラリンピックは来年8月24日に開幕。水泳は東京アクアティクスセンターを会場に、翌25日から9月3日まで熱戦が繰り広げられる。大会は12日間で、閉会式は9月5日に行われる。

(取材・文/荒木美晴)