水泳 — 2009/7/21 火曜日 at 13:39:38

水泳ジャパラ 高記録続出

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アジアユースパラゲームスでも活躍が期待される18歳の山田拓朗
アジアユースパラゲームスでも活躍が期待される18歳の山田拓朗

「2009ジャパンパラリンピック水泳競技大会」が20日、大阪・門真市のなみはやドームで行われた。昨年の北京パラリンピック代表メンバーを含む、約340名が参加。女子100m背泳ぎ(視覚障害S11)では、秋山里奈が未公認ながら世界記録を上回るタイムで優勝。このほか、39種目で大会新(タイ記録を含む)が出るなど、ハイレベルな戦いが繰り広げられた。

「これまで、世界記録の更新を目指して練習していたので、本当にうれしいです」

100m背泳ぎで優勝し、メダルを首にかける秋山里奈
100m背泳ぎで優勝し、メダルを首にかける秋山里奈

表彰式で金メダルを受け取った秋山里奈は、満面の笑みを浮かべてこう話した。現在の世界記録は、2年前のこの大会で秋山本人がマークしたもの。北京パラリンピックでも有力視されていたが、突然実施種目から削除され、種目変更を余儀なくされた経緯があるだけに、喜びもひとしおだ。

この半年は、後半の伸びを強化するために、25m・50m・75mと少しずつ距離を伸ばしながらダッシュを繰り返し練習してきたという。レースでは「50mのターンのあと疲れが出て、最後のタッチのときはダメかと思った」と振り返るが、見事に世界記録0.47秒上回った。今後は「20秒台を切ること」を目標に、泳ぎこむつもりだ。

同じく北京パラリンピック出場組も多くがエントリー。江島大佑(運動機能障害S7)は、50mバタフライと100m背泳ぎの2種目で、自らが持つ大会記録を更新した。とはいえ、大会に向けて本格的に泳ぎこんだのは1週間前だったのに加えて夏バテ気味と、調整不足を自覚するなかでのレース。納得のいかない内容に「ダメですね」と表情を曇らせるが、「ただ、悪いなりにもタイムの落ち幅が以前よりマシになった」と、結果を残したことを前向きに捉えていた。

また、今大会の開会式では、9月10日から東京で始まるユース世代のアジア大会「アジアユースパラゲームス」、および9月5日から台湾で開催される聴覚障害者の大会「台北デフリンピック」に出場する日本代表選手の紹介が行われた。選手を代表して、アジアユースパラゲームス日本選手団主将の木村敬一が選手宣誓を行った。

13歳でアテネ、17歳で北京パラリンピックに出場し注目を集めた山田拓朗(運動機能障害S9)は、現在18歳の高校3年生。大会の1週間前に右肩を壊し、「満足いく泳ぎができなかった」と唇をかむが、200m個人メドレーでは大会記録を3秒58も上回るタイムで優勝。「アジアユースパラゲームスでは、エントリーしているすべての種目で自己ベストを出したい」と活躍を誓った。

力強く選手宣誓を行った木村敬一
力強く選手宣誓を行った木村敬一

江島大佑は2種目で自身が持つ大会記録を塗り替えた
江島大佑は2種目で自身が持つ大会記録を塗り替えた

(記事/荒木美晴 撮影/吉村もと)