車いすテニス — 2023/6/7 水曜日 at 6:32:16

【全仏OP】9年ぶり出場の三木がウデに勝利! 小田、上地、大谷も8強入り

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男子シングルスでウデをストレートで下して8強入りした三木=パリ・ローランギャロス(撮影/植原義晴)

フランス・パリで開催されているテニス全仏オープンは現地時間の6日、車いすの部がスタートした。今大会は男子4人、女子4人、クアード1人の計9人の日本人選手が出場している。

男子シングルスは、世界ランキング6位の三木拓也(トヨタ自動車)が元世界1位のステファン・ウデ(フランス)を6-4,6-2のストレートで下し、準々決勝に駒を進めた。第1セットは三木が追いつき、4-4となったところでウデが車いすの修理を申し出て、30分近く試合が中断したのちに試合再開。それでも三木は集中力を切らさずに第9ゲームをブレークすると、第10ゲームをラブゲームで取り、第1セットを先取した。その勢いのまま第2セットもリードを保ち、最後まで試合をコントロールした。

三木は2014年大会以来、9年ぶり2度目の全仏オープン出場。前回は1回戦でゴードン・リード(イギリス)にストレートで敗れており、「その悔しさを超えて、新しいスタートを切るという気持ちだった」と三木。ウデに対しても、これまでの対戦成績は1勝13敗と水をあけられていたが、「我慢のテニスができたことが大きい。本当に勝てて嬉しい」と笑顔を見せた。

世界ランク8位で今年の全豪オープンに続いて、グランドスラム2大会目の眞田卓(凸版印刷)は、同5位で3連敗中のルベン・スパーガレン(オランダ)と対戦し、2セットともタイブレークに持ち込む接戦を演じたが、6-7、6-7で敗れた。眞田は「これまではあっさり負けていたけれど、今回はプレッシャーを与えられたと思う。今後の試合に影響するプレーができたと思う」と話し、前を向いた。

初戦で勝利し、ガッツポーズを作る小田

第2シードの小田凱人(東海理化)は6-1、6-4で荒井大輔(BNPパリバ)との日本人対決に勝利した。昨年の全仏オープンでグランドスラムデビューを果たしたことを足がかりに飛躍を遂げ、世界ランキングを2位まで上げている小田。今大会は最年少での優勝&世界ランキング1位獲得を目標のひとつに掲げており、良いスタートを切った。また、荒井は敗れたものの「クレーで通用するサーブもあると感じた。自分のパターンを試してうまく選択し、来年に向かっていきたい」と話した。

女子シングルスは、全仏オープンを4度制している第2シードの上地結衣(三井住友銀行)、2020年大会で初出場ながら準優勝の成績をおさめている第4シードの大谷桃子(かんぽ生命)が順当に勝ち上がり、8強入り。また、今年の全豪オープンでベスト4に入った田中愛美(長谷工コーポレーション)はホタッツォ・モンジャネ(南アフリカ)に、グランドスラム3大会目の船水梓緒里(ヤフー)はワイルドカードで出場したP.Deroulede(フランス)に敗れた。

なお、女子の世界ランキング1位で第1シードのディーデ・デ フロート(オランダ)は一回戦でフランスのワイルドカード、エマニュエル・モルチを6-2, 6-2で下し、「100連勝」を達成した。

7日はクアードシングルスに菅野浩二(リクルート)が出場。男女のダブルスもスタートする。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)