車いすラグビー — 2024/1/15 月曜日 at 0:45:23

BLITZが決勝でTOHOKU STORMERSを破り、9度目V!

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今季、BLITZは池崎(左)が加入し、総合力が向上。2015年大会以来の優勝を果たした=千葉ポートアリーナ(撮影/植原義晴)

「第25回車いすラグビー日本選手権大会」が1月12日から3日間に渡り、千葉ポートアリーナで開かれた。予選を突破した8チームが参加し、2つのプールに分かれてそれぞれ総当たり戦を実施。クロスオーバーゲームに勝利したBLITZとTOHOKU STORMERSが決勝で対戦し、55-46でBLITZが優勝を果たした。

第1ピリオドの序盤に島川慎一(3.0)の3連続得点などでリードを広げたBLITZは、その後も突破力を発揮してトライを重ね、ゲームの主導権を握った。TOHOKU STORMERSも終盤に橋本勝也(3.5)の連続トライに成功するが、追いつくことはできなかった。

BLITZの優勝は2015年大会以来、9度目。昨年は登録メンバーが出場チーム中もっとも少ない6人に留まり、ラインナップを組むにも限界があったが、今季は池崎大輔(3.0)がチームに加わり、長谷川勇基(0.5)-小川仁士(1.0)-島川(3.0)-池崎(3.5)という現日本代表メンバーのハイローラインが完成。決勝でもスターティングラインナップを飾り、また点差が開いたことで他のラインも試すことができた。周囲からは「勝って当たり前」という声が挙がり、プレッシャーがかかるなか勝ち切ったBLITZ。島川は、「自分たちがやるべきことをやった。全員で勝ち取った勝利」と胸を張った。

TOHOKU STORMERSはクロスオーバーゲームで昨年の決勝で敗れたFreedomを54-51で下して決勝に臨んだが、初優勝を逃した。中町俊耶(2.0)は「Freedomにリベンジはできたが、BLITZには試合のなかで対応しきれなかった。また1年間、頑張りたい」とコメントし、橋本は「相手が代表のフルメンバーのなかで、自分たちのペースを作りたかったが難しい試合になった。次回はリベンジしたい」と話し、前を向いた。

高さを活かしてパスカットするなどチームをけん引したFreedomの池

3位決定戦は、昨年優勝のFreedomがFukuoka DANDELIONに54-47で勝利した。ハイローラインが主軸のFreedom、バランスラインで得点を重ねていくFukuoka DANDELIONとスタイルの違う2チームの対戦は序盤から接戦に。第2ピリオドに入ると、Freedomは池透伸(3.0)の高さを活かしたインターセプトからのターンオーバーなどで連続得点でじわじわとリードを広げていく。Fukuoka DANDELIONも集中力を落とさず、パスカットから得点につなげるなど後半に粘りを見せるが、惜しくも届かなかった。

5位・6位決定戦はAXEが44-36でRIZE CHIBAに勝利。7位・8位決定戦は47-38でOkinawa HurricanesがSILVERBACKSを下した。

激しい攻防のなかでボールをキープする横内(中央)

今大会はベテラン勢に交じり、AXEの中学2年の島崎瑛漣(2.0)やOkinawa Hurricanesの高校3年の奥原悠介(3.0)、SILVERBACKSの中学3年の横内太陽(3.0)ら、10代の若い選手も躍動した。横内は小学4年の時に競技を始め、昨年のプレーオフ大会から試合に出場するようになったといい、今大会もスピードを活かしたプレーでチームの得点に貢献した。同じクラスでスピードを武器とし、同じ背番号「44」を着けるFreedomの白川楓也に憧れているといい、「いつか自分も日本代表になって活躍したい」と話してくれた。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)