世界選手権予選リーグ 日本対カナダ カナダに7失点の完敗

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後半、力強い滑りでカナダ選手をチェックする高橋和廣選手(写真中央)

現地時間の12日の第四試合は、日本対カナダ戦が行われた。日本は、カナダの速いタイミングのチェックやパス回しに対応できず、序盤から苦戦。第1ピリオドにカナダに先制点を入れられてからは、2ピリでも立て続けに点を奪われた。3ピリ目にようやく日本らしい細かくパックをつなぐ組織プレーを発揮したが、トータル7失点と大ブレーキ。得点も挙げられず、完封負けを喫した。

準決勝進出が決まっているチーム同士の戦いとなり、勝敗はもとよりその内容に注目が集まった。日本は、第1ピリオドのファーストセットをこれまでから変更し、フォワードに伊藤仙孝・三澤英司・安中幹雄、ディフェンスに須藤悟・遠藤隆行を起用。カナダのBridges Billy(FW)やBowden Bradly(FW)といった世界最強のフロントラインをきっちりマークすることが課題のひとつだったが、逆に素早い動きに翻弄され、6分18秒に先制点を許した。

2ピリ目も、日本のパワープレーの時間でありながら得点されるなど、カナダのチームワークと高い個人技に圧倒され続けた。さらに、2ピリ目終了間近には、遠藤と上原大祐(FW)がペナルティをとられ、3ピリ目は2人少ない場面から始まる苦しい展開に。

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ゴールキーパーとして大会初出場を果たした馬島誠選手

その3ピリ目、日本はゴールキーパーを先発の永瀬充から、今大会初出場となる馬島誠にスイッチ。また、冷静さを取り戻した日本の攻撃ラインが機能し始め、カナダより多い8本のシュートを放った。また馬島も、永瀬・福島忍に続く期待の「新人」として、フォワードから転身したばかりでありながら、失点を1分32秒にDixon Adam(DF)に決められた1点に抑え、その役割を果たした。

試合終了後、馬島は「日本が2人少ない場面での投入で、逆に集中力が高まった。Dixonにやられた1点は悔しいけれど、よくパックが見えた。シューターと1対1になると分が悪いので、そうならないように、メンバーが踏ん張ってくれたことに感謝したいです」と語った。

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世界ナンバーワンの攻撃力を誇るカナダメンバー

ただ、結果は残酷なまでに正直だ。さまざまな攻撃スタイルを模索するなかでの敗戦とはいえ、無得点に終わった。そして、カナダに25本のシュートを許したうえに7失点は、あってはいけない数字だろう。中北浩仁監督も、この試合結果に厳しい表情を浮かべ、「カナダに勝つには、もう一度基礎からやり直さなくてはいけない」と話すにとどまった。

この試合の結果を受けて、予選のグループAは、1位カナダ、2位日本、3位ドイツ、4位チェコとなり、明日13日は、ドイツがグループB4位のイタリアと、またチェコが同3位の韓国と対戦することになった。14日は準決勝の2試合が行われ、日本がノルウェーと、カナダがアメリカと対戦する。

(原稿/荒木美晴 撮影/吉村もと)

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