アイススレッジホッケー — 2010/1/22 金曜日 at 0:57:36

日本はアメリカに敗戦、予選で1勝ならず/スレッジホッケージャパラ

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第2ピリオド中盤に交代するまで、トータル16本のシュートをシャットアウトしたGK福島忍(写真/吉村もと)

ビッグハットで行われている「2010ジャパンパラリンピックアイススレッジホッケー競技大会」は予選最終日を迎え、日本はアメリカと対戦。両チーム無得点で迎えた第3ピリオドに入ってから立て続けに失点し、1-3で敗れた。日本は予選で勝ち星を挙げられず、最下位に沈んだ。ただ、23日に行われるクロスオーバー方式の準決勝でチェコと対戦し、その結果次第では決勝進出の可能性が残されている。

日本にとっては、今大会はバンクーバーパラリンピックの代表選手の選考を兼ねた重要な大会となっている。試合前に中北監督が明言したように、このアメリカ戦ではこれまで出場機会のなかったプレーヤーを含む全選手が出場。セットプレーやキルプレー時の動きの確認を行った。

代表枠「2」を争うゴールキーパーは、福島忍が先発。序盤、試合の主導権を握ったのはアメリカ。スピードを活かした猛攻で、幾度となく日本ゴールを襲った。しかし、福島が得意とする積極的に前に出るセービングで、相手のシュートを完璧に阻止。ピンチを救った。後半に入り、ようやくリズムが出てきた日本だったが、シュートがゴールポストに嫌われるなどアンラッキーが続き、得点には至らなかった。

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途中出場で2失点するも、相手にプレッシャーをかけ存在感を示したGK馬島誠

第2ピリオドの中盤に、ゴールキーパーは同じく今大会初出場の馬島誠にスイッチ。その直後に速い展開で攻め込まれるが、馬島もまたファインセーブを連発。日本のディフェンスラインもしっかりと機能して、相手に得点を許さなかった。

試合が動いたのは、最終ピリオド。なんとしても先制点を奪いたい日本だったが、ほとんどの時間帯を攻め込まれる苦しい展開に。アメリカに続けて2点を取られた後、7分57秒に上原大祐(FW)が相手DFをかわしてシュートを決め1点を返すが、その後は日本のキルプレーから再び追加点を挙げられ、万事休す。2点差をひっくり返すことはできなかった。

試合後、主将の上原は予選を振り返り、「今日は全員が出場して、いい調整ができたと思う。ただ全体をみると、やはり日本はミスが多い。そこはしっかりとケアしないと、パラ本番では勝てない。(土曜の)チェコ戦では、どう勝ちにつなげるか“チーム”として考えたい」と話した。

チェコが予選トップ通過!ノルウェーに5-3で勝利!

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快進撃を続け、予選1位通過を決めたチェコチーム

第一試合は、ノルウェー対チェコの試合が行われた。序盤からこう着状態が続き、両チーム無得点で迎えた第2ピリオドにゲームが動いた。

まずは、5分51秒にノルウェーが先制点。ゴール左サイドからの矢のようなパスにHelge Bjornstad(FW)がうまくタイミングを合わせてゴールを決めた。しかし、8分25秒にはノルウェーのクリアミスからチェコがパックをキープし、Geier Michal(FW)がゴールほぼ正面から強烈なミドルシュートを放ち、同点に追いついた。つづく、10分41秒には再びチェコが得点して突き放しにかかった。しかし、ここで終わらないのがノルウェー。チェコのゴール前の混戦からパックをつなぎ、12分50秒にRolf Einar Pedersen(DF)が強烈なシュートをねじ込んだ。

2-2の同点で迎えた運命の最終ピリオド。どちらのチームも一歩もひかないゲーム展開に、ベンチからも熱い声が飛んだ。

ここでも、最初に試合を動かしたのは、チェコだった。開始早々の27秒には、チェコが1点を追加。一人少ないキルプレーの状態であったにもかかわらず、疲れの見えるノルウェーDFのラインが崩れたところを見逃さなかった。終盤にノルウェーに1点を返され、再び同点とされるが焦りを見せず、しっかりとパスをつないでノルウェー陣地に攻め込んだ。そして13分46秒に追加点、さらには試合終了直前には、ゴールキーパーを上げて全員攻撃をしかけたノルウェーからパックを奪い、自陣のゴール前からシュート。ノルウェーDFが必死に追いかけるが、パックはその先をするすると進み、誰も居ないノルウェーゴールに吸い込まれていった。

長年、世界のトップチームとして君臨するノルウェーを相手に2点差をつけての勝利。試合後、チェコのTomas Zelenkaヘッドコーチは、「ノルウェーに勝ったのは、はじめてのこと」と笑顔で振り返り、試合については「ラッキーな展開だった。でも、結果はとくに気にしない。それよりもこうしてノルウェーやアメリカ、日本という世界トップクラス級のチームと戦い、経験を積み重ねることが大切」と話し、残りの戦いに意欲を燃やしていた。

予選の結果を受けて、23日にはクロスオーバー方式の準決勝が行われ、予選1位のチェコ対4位の日本、2位のノルウェー対3位のアメリカが対戦(チェコ、ノルウェー、アメリカの順位は、ともに2勝1敗で得失点差による)。24日に、それぞれの試合の勝者が決勝戦、敗者が3位決定戦に臨む。

第一試合
ノルウェー 0-2-1=3(予選2位)
チェコ   0-2-3=5(同1位)

第二試合
日本   0-0-1=1(得点:上原、アシスト:須藤、吉川)(同4位)
アメリカ 0-0-3=3(同3位)

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激しい攻防でパックをキープする吉川守

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試合終了間際にタイムアウトをとり、選手に指示を出す中北浩仁監督(写真中央)

(原稿/荒木美晴 撮影/吉村もと)