車椅子バスケットボールのリオパラリンピックの予選を兼ねた「三菱電機2015 IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」は15日、千葉市のポートアリーナで女子の準決勝が行われた。予選3位の日本は同2位のオーストラリアと対戦して49対69で敗れ、2大会ぶりのパラリンピック出場は果たせなかった。
前半はスピードと高さを活かして引き離しにかかるオーストラリアに、日本が高い集中力で食らいつく展開に。前半終了間際には、藤井郁美(#12)がインサイド・アウトサイド両方から鮮やかにシュートを決めて相手の足を止め、試合の流れを引き寄せた。だが後半、走力やチェアコンタクトで互いに激しく競りあうなかで日本のショットの確立が落ち、それがじわじわと点差となって表れてしまう。それを好機と見たオーストラリアに、一気により激しいプレッシャーをかけられ、リズムを崩した日本は自分たちのバスケに持ち込めなかった。
緻密なゲームプランを組み立て、熾烈な争いに果敢に挑んだ日本だったが、リオへの切符は掴めなかった。ベテランの上村知佳(#9)は「率直に言ってこれが日本の実力」と負けを認め、得点源である網本麻里(#15)は「今までやってきたことを40分間やり続けようという想いはあったけれど、やっぱり力の差があった」と話し、涙をこぼした。大会で得た多くの課題や修正点をどのように克服していくか。5年後の東京に向けて試練が続く。
また、日本男子は準々決勝でマレーシアに86対15と大勝。勝てばリオ行きが決まる16日の準決勝では昨年の世界選手権優勝の強豪・オーストラリアと対戦する。「各段にレベルの高い戦いになると思う。僕たちもちゃんと成長してきたので、今できる最高に強いバスケを見せたい」とキャプテンの藤本怜央(#4)。また及川ヘッドコーチも「“胸を借りる”のではなく、正々堂々と勝負するつもり」と意気込みを語った。
(取材・文/荒木美晴、写真/吉村もと)