夏季競技, 車椅子バスケットボール — 2015/10/17 土曜日 at 0:31:00

日本は世界王者オーストラリアに完敗、リオ出場権をかけ最終日に韓国と再戦

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相手ディフェンスに厳しいプレッシャーをかけられるなかボールをキープする藤本=千葉ポートアリーナ/撮影:吉村もと
相手ディフェンスに厳しいプレッシャーをかけられるなかボールをキープする藤本=千葉ポートアリーナ/撮影:吉村もと

車椅子バスケットボールのリオパラリンピックの予選を兼ねた「三菱電機2015 IWBFアジアオセアニアチャンピオンシップ千葉」は16日、千葉市のポートアリーナで男子の準決勝が行われ、日本はオーストラリアに41対70で敗れた。日本は17日の三位決定戦で韓国に勝てば、リオパラリンピック出場が決まる。

この試合に勝利したほうがリオ行き切符を手にできる大一番。日本代表はメンバー、スタッフ全員がこの試合にフォーカスしてコートに立った。だが、相手のオーストラリアは北京パラリンピックで金メダル、ロンドン大会で銀メダルを獲得した強豪であり、昨年世界選手権の覇者。そんな世界チャンピオンチームに、序盤から圧倒的なプレッシャーをかけられた。

香西宏昭(#9)が「向こうのフィジカルにつきあってしまった」と反省を口にするように、日本の攻撃のリズムが掴み切れない我慢の時間帯が続き、シュートやフリースローの成功率も落ちた。

日本は、思うように機能しないオフェンスをディフェンス面でカバー。だが、相手の多彩な戦略と駆け引きの前に得点を伸ばせず、黒星を喫した。「こちらにリズムを取らせないためにファウルを上手く取らせるとか、いろんな作戦、引き出しを使ってディフェンスをしてきたので非常に苦しんだ」とキャプテンの藤本怜央(#4)は振り返る。

試合終盤、藤澤潔がアウトサイドからのシュートを鮮やかに決める
試合終盤、藤澤潔がシュートを鮮やかに決めてチームを鼓舞する

とはいえ、後半はプレッシャーをかわしてスペースを作り、藤本と香西の連携につなげる場面が見られた。試合の中で修正点を見つけ、全員が最後まで戦い抜いたことは、最終戦につながる大きなポイントになるだろう。

運命の最終戦は、宿敵・韓国との再戦となる。予選では日本が勝利した。対する韓国も4年前のロンドンパラリンピックの最終予選で日本に負けて出場を逃しているだけに、相当な気迫と覚悟で向かってくるはずだ。勝利の女神がほほ笑むのは、どちらのチームか――。注目したい。

また、この試合を観戦した鈴木大地スポーツ庁長官は、「日本の選手のファイトあふれるプレーに感銘を受けた。一般の人たちの関心が選手を強くするので、もっと観客を入れる工夫したい」と話し、「(障がい者スポーツの現場に)極力行きたいと思っている」とコメントした。

女子の決勝は、中国がオーストラリアを59対43で下して優勝。リオパラリンピックの出場権を獲得した。前回のロンドン大会銀メダルのオーストラリアはまさかの敗戦に肩を落とした。

(取材・文/荒木美晴・瀬長あすか、写真/吉村もと)