「ダイセル ブラインドサッカージャパンカップ2024 in大阪」が4日、大阪駅前のグランフロント大阪うめきた広場で開幕した。パリ2024パラリンピックに出場する日本代表にとっては、本番前の最後の国際大会大会。日本(世界ランキング3位)のほか、モロッコ(同8位)、メキシコ(同9位)、マレーシア(同26位)が参戦し、総当たり戦ののち、最終日に順位決定戦を行う。
日本は初戦でマレーシアと対戦。試合は序盤から日本が主導権を握り、スタメン出場の高校生ストライカー・平林太一らが果敢に攻撃をしかけるが、マレーシアの堅守もありなかなかゴールが奪えない。後半も決定打が出ない日本だったが、試合終了間際にフェンス際の混戦からつないだボールを受けたキャプテンの川村怜が相手ゴール前に運び、左足でシュート。これが見事に決まり、初戦を1-0の白星発進とした。
今大会は競技場ではなく、大阪駅の目の前に位置するイベント空間の「うめきた広場」に特設会場を設置。周囲には飲食店などが建ち並び、1日に15万人が行き交う場所だ。8月開幕のパリ大会でも、ブラインドサッカーはエッフェル塔のふもとの特設会場で実施される予定で、今大会はそうした雑踏の音や反響音がするなかでプレーすることに慣れる狙いもある。
中川英治監督によれば、日本代表はパリに向けて普段から歓声や拍手の音をスピーカーで流し、雑音のなかでプレーするトレーニングをしているという。今回は、店舗のスピーカー音などで場所によっては声が届きにくく、相手選手の足音などが聞こえずに衝突する場面もあったが、中川監督は「そのなかで選手はたくましく戦ってくれた」と振り返った。
川村も「この環境でプレーが出来てよかった。パリの会場はスタンドも高いので苦戦すると思うが、この大会で課題を洗い出し、本番につなげていきたい」と語り、前を向いた。
(取材・文・撮影/荒木美晴)