8月20日から25日まで、スイスのバーゼルでパラバドミントンの世界選手権が開催される。東京2020パラリンピックの出場権は、今年3月のトルコ国際から来年3月のスペイン国際までの対象14大会で獲得するポイントランキングで決まる。世界選手権は獲得ポイントが通常の2倍になり、上位に進出すれば東京パラ出場に大きく前進する重要な大会だ。25日には、大会に派遣される日本代表選手26名が発表され、都内で記者会見が開かれた。
車いすでは、ポイントレースで女子ダブルスの世界ランク1位につける山崎悠麻と里見紗李奈(ともにNTT都市開発)が出席。車いすのダブルスはそれぞれが縦の半面をカバーするサイドバイサイドの陣形を取るペアが多いが、ふたりは自在にポジションを変えるローテーションに力を入れているといい、山崎は「強豪の中国やタイに勝つため。4月のドバイ国際で中国ペアに勝ったけれど、世界選手権では対策してくるだろうからしっかり戦いたい」と意気込みを語る。里見は「ローテーションに取り組むことで、逆に個人の足りない部分がわかってきた。単複ともメダルを持って帰りたいので、もっとショットの精度とチェアワークスキルを上げていきたい」と話した。
会見には、立位女子SU5(上肢障害)の鈴木亜弥子(七十七銀行)も出席。鈴木は自身の強みを「ショットの正確性と駆け引き」と語り、単複ともに表彰台を狙う。バドミントン経験者で、2016年にパラバドミントンに復帰した当初はシングルスプレーヤーだったが、東京パラのポイントレースではダブルスのポイントが優先されることから、昨年9月からダブルスにも出場している。立位の女子ダブルスは、下肢障害のSL3から上肢障害SU5クラスのなかで、クラス合計が「8」以下となる組み合わせでペアを組む。鈴木はパートナーのSL3の伊藤則子(中日新聞社)とともに上位を目指す。シングルスでは、ライバルで世界女王の楊秋霞(中国)との対戦に注目が集まる。通算成績は2勝4敗と鈴木が負け越しており、今大会でのリベンジを誓っていた。
2年に一度、開催されるパラバドミントンの世界選手権。今大会は一般のバドミントン世界選手権(19日開幕)との同時開催となる。同時期に同じ会場で開催されるのは史上初めてのことだ。そして大会最終日の25日は、東京2020パラリンピックの開会式の1年前にあたる。この記念すべき大会で日本勢はどんな爪痕を残すのか、期待したい。
(取材・文・撮影/荒木美晴)