パラバドミントン世界選手権は21日、競技2日目を迎え、予選リーグが行われた。低身長男子SS6の畠山洋平(Tポイント・ジャパン)はオーストラリアの選手にストレートで勝利。前日の初戦は「ふがいない試合」で敗戦を喫したが、今日はその反省から攻め続け、試合の主導権を握った。
今大会、畠山のカテゴリーである男子SS6のエントリーが32人と、全種目のなかで最も多くなった。世界において競技人口は増加傾向にあるといい、そのレベルも向上している。一方で日本国内での競技人口は非常に少なく、日本からは畠山のみが出場している。「日本の低身長クラスを盛り上げるつもりで、自分がしっかり成績を残していきたい」と畠山。各国の強敵がそろうなか、日の丸の誇りを胸に、上位進出を目指す。
立位SL3-SU5ミックスダブルスの浦哲雄(日本オラクル)・伊藤則子(中日新聞社)組は、スウェーデンとノルウェーのペアに21-14、25-23で競り勝った。相手はクラス4同士のペアで動きは良いが、浦・伊藤組はそれを上回る多彩な攻撃で試合を展開。第2ゲーム終盤は先にマッチポイントを握りながらも逆転を許したが、最後まで互いに声を掛け合い、勝ち切った。
次戦は第2シードの難敵のフランスペアと対戦予定だったが、相手が棄権をしたため、浦・伊藤組が予選リーグ1位通過で決勝トーナメント進出を決めた。浦は「次はシードで戦えるのですごく楽な気持ちで迎えられる。トーナメントでもひとつでも多く勝てるよう、頑張っていきたい」と話し、伊藤も「(前衛の)自分はミスなく前を押さえるのが仕事。しっかり戦いたい」と力強く話した。
車いす女子WH2の小倉理恵(ブリヂストン)は、シングルス第2戦でトルコの選手と対戦。第2ゲームでリードを許すも終盤に追い上げて勝利を掴んだ。試合後は、「正直、すごく緊張して焦っていたけど、落ち着いて1本1本とりに行こうと切り替えた」と話し、白星に安堵の表情を浮かべる。
6月のアイルランド国際後に、カーボン製の競技用車いすに変更した。これまでのアルミ素材はしなる特徴があったが、カーボン製はその硬さから車いすを押す力がダイレクトに伝わるため、より機敏に動けるのだという。この変更は東京2020パラリンピックに向けての大きな決断であり、挑戦となるが、「使いこなすのに時間はかかったけれど、応答性がいいから自分の思った通りに操れる。これを相棒に頑張る」と笑顔を見せた。
車いすWH1-2男子ダブルスでは、島田務(大阪学芸職員)・大濱真(NPO法人スマイルクラブ)組がイングランドのペアをストレートで下し、予選リーグを1勝1敗として決勝トーナメント進出を決めた。初日は第1シードの中国ペアと対戦。敗れたものの、初戦で強敵とプレーしたことで修正点が明確になり、新たな気持ちで今日の試合に臨むことができた。
今大会直前に追加派遣が決まり、一緒に練習できたのは事前合宿のタイミングだったというが、本番では息のあったプレーを見せた。「(獲得ポイントが2倍になる)世界選手権は重要な大会。このチャンスを活かしたい」と話すふたり。決勝トーナメントでも勝ち星を重ね、メダルを狙いに行く。
(取材・文・撮影/荒木美晴)