パラバドミントン世界選手権は23日、各種目の決勝トーナメントがスタートした。立位SL3-SU5女子ダブルスでは、鈴木亜弥子(七十七銀行)・伊藤則子(中日新聞社)組、亀山楓(高速)・山田麻美(LAVA International)組がそれぞれ準決勝進出を決め、メダルを確定させた。
亀山・山田組はゲームカウント1-1で迎えたファイナルゲーム、14-8とリードする場面から7連続失点で逆転を許してしまう。だが、「気持ちで負けないように」と互いに声を出し合い、再びリードを広げると、集中力を高めて粘る相手を振り切った。山田は「ファイナルは追いつかれて観ている人にはひやひやさせてしまったけれど、とても嬉しい」と笑顔。準決勝では第2シードの中国ペアと対戦する。前回の世界選手権で銀メダルを獲得している強敵だが、亀山は「今日の試合以上に声を出して、全力で戦う」と力強く語った。
鈴木・伊藤組の次戦の相手は、第1シードのインドネシアペア。これまで3戦してまだ勝ち星は挙げられていないが、鈴木は「失うものはない。点を取りに行く」と語り、ファイナル進出を誓った。伊藤は浦哲雄(日本オラクル)と組んだSL3-SU5ミックスダブルスでも準々決勝に進出したが、杉野明子(ヤフー)・末永敏明(昭和電工)組との日本勢対決に敗れた。
勝利した杉野・末永組は前回大会で3位に入っており、2大会連続の表彰台。さらに良い色のメダルを目指して、明日の準決勝に臨む。
車いすWH1-WH2男子ダブルスでは、長島理(LIXIL)・渡辺敦也(アキレス)組が、試合巧者のドイツペアを21-14、21-19で下して勝利。終盤はミスをしたほうが負け、というせめぎ合いが続いたが、高い集中力を維持して勝ち切った。
また、女子も世界ランク1位で第1位シードの山崎悠麻・里見紗李奈(ともにNTT都市開発)組、小倉理恵(ブリヂストン)・福家育美(ダイハツ工業)組がそろってベスト4に勝ち上がり、メダルを手にすることが決まった。
WH2の山崎と小倉は、24日のシングルス準々決勝で日本人対決に挑む。
(取材・文・撮影/荒木美晴)