「ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2024」は23日、国立代々木競技場第一体育館で競技2日目が行われた。
東京パラリンピックで金メダル、パリパラリンピックで銀メダルを獲得した女子ダブルスWH1-WH2の「ゆま・さり」こと、里見紗李奈・山崎悠麻組は、初戦でスペインのペアを21-0、21-2で下した。「ゆまさり」は今大会で解散となる。山崎は「あまり気負わず、自分らしく、楽しくプレーしたい」と話し、里見は「ゆま・さりがジャパン国際で終われるのはすごく嬉しいこと。パリでは銀だったので、やっぱり最後は金メダルを獲って終わりたい」と意気込みを語った。同ダブルスは4ペアによる総当たり戦となる。
男子シングルスSL4に日本勢では唯一エントリーしている17歳の小川航輝は、初戦でバングラデシュの選手と対戦し、15-21、8-21で敗れた。ジャパン国際は初出場。「どんなふうに試合に入るのか、初めての経験で緊張してしまった」と振り返った。
小学1年でバドミントンを始め、中学1年の7月に部活動後に脳梗塞を発症。右半身に麻痺が残ったが、日常生活にもバドミントンにも復帰した。現在は高校の部活動とパラバドミントンの両立を図っており、今年9月にはジュニアスポーツアジア交流会でアジアの同世代選手と対戦し、準優勝するなど経験を積んでいる。今大会も「ベストを尽くして頑張りたい」と意気込みを語り、1勝を目指す。
女子シングルスSL3は、昨年のこの大会で公式戦デビューを果たした武田佳乃が連続出場。初戦は敗れたが、この日はレバノンの選手を21-10、21-10で退け、公式戦初勝利を挙げた。「基本的なところだけど、シャトルを奥に飛ばしたり、ヘアピンで返すといった正確性を練習で培ってきた。今日の試合は相手のポジションを見極めて動かし、攻めることができたのがよかった」と笑顔で振り返った。
現在は大学への通学時間をランニングに充てるなど、普段からバドミントンにつながることを考えるようになったという。きっかけは、昨年のデビュー戦。2022年世界選手権を制したオクサナ・コジナ(ウクライナ)と対戦し、ストレートで敗れたものの、バドミントンの楽しさを実感した。試合後に彼女から「もっと強くなれるよ」と声をかけてもらったといい、気持ちに変化があらわれたそうだ。今夏のパリパラリンピックのトップ選手の活躍にも刺激を受けたという武田は、「強くなればなるほど楽しいんだろうなと思った。自分も早く高いレベルに行けるよう、心技を磨いていきたい」と力強く語った。
女子シングルスWH1の高校3年生・友寄星名は、ポーランドの選手にストレートで勝利。予選リーグを1勝1敗とした。この試合で勝つことが決勝トーナメント進出の絶対条件だったこともあり、試合中は声を出し、自らを奮い立たせて士気を上げて戦った。
4年後のロスパラリンピックを目指す友寄にとって、今夏のパリパラリンピックは大きな刺激となり、「国内で結果を残して、来年には強化指定選手に上がり、上を目指していくというロードマップができた」と友寄。「まだまだ経験が少ないので、実戦を積んでいくなかで試合の組み立て方を学んでいきたい」と言葉に力を込めた。
(取材・文・撮影/荒木美晴)