国立代々木競技場第一体育館で開かれている「ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2024」は26日、各クラスの準決勝が行われた。
パリでパラリンピック2連覇を達成した女子WH1の里見紗李奈は、高校3年の友寄星名と対戦。21-7、21-7で勝利した。里見は「星名のクリアがよく飛んでいたし、カットも鋭い一本を決められた。すごく伸びてきていると感じたし、私も負けてられないという気持ちでやった」と振り返った。
パリ大会では金メダルを獲得したが、予選で中国の選手に一度敗れた。「連勝記録も途絶えてしまったし、いちから立て直していきたいと思っている」と里見。「WH1の女子で頭ひとつ、ふたつ抜けたい。それがパリが終わってから自分のなかでできた明確な目標。それを達成するためにも、今大会でしっかりと勝ちたいし、トップを走る男子の梶原(大暉)選手に頑張ってついていきたい」と語った。
同WH2の山崎悠麻はドイツの選手に圧巻勝利。里見と組むダブルスでも頂点を狙う。同SL4はパリ大会代表の藤野遼が新星・中村鈴を21-7、21-7で下して決勝に進出。澤田詩歩もオーストラリアの選手に勝利し、日本人対決の決勝に注目が集まる。同SU5はパリ大会代表同士の対戦となり、豊田まみ子が亀山楓をストレートで下した。5人がエントリーした同SH6は総当たり戦の最終戦が行われ、初出場の杉本沙弥佳が香港の選手にフルゲームの末に敗れ、4位となった。
男子WH1の準決勝は、2試合とも日本人対決となった。パリ大会日本代表同士の戦いとなった村山浩と長島理の試合は、村山が21-15、21-15で勝利した。長島は「ふたりともパリで全力を尽くしたなかで、今回は日本人と戦って負けるなら本望という気持ちで臨んだ。村山選手はやっぱり強くて、実際に負けてもちろん悔しいけれど、最後まで楽しくできた」と振り返った。
もうひと試合は、大山廉織が21-11、21-10で西村啓汰を退け、初の決勝進出を決めた。対戦後に涙を浮かべて感極まった大山は、「西村選手は憧れでもあったし、倒したい相手でもあった。決勝の相手の村山選手は積み重ねた技術と経験値があり、僕とは差があるけれど、西村選手の想いも乗せてしっかりと戦いたい」と、言葉に力を込めた。また、村山は決勝に向け、「大山選手の今大会の印象はすごく良い。私から見ても、彼が力をつけていると思うし、脅威だと感じる。実際に日本選手権では以前負けているので、明日は決勝でその借りを返したい」と話し、前を向いた。
同WH2のパラリンピック金メダリスト・梶原は、オーストラリアの選手に勝利。同じくパリ大会代表の松本卓巳も準決勝で勝利をおさめ、決勝では実力者同士の一戦に注目が集まる。ダブルスでは村山・梶原組と西村・松本組が頂点を争う。同SL3の藤原大輔は決勝で、パリ大会金メダリストのクマール・ニテシュ(インド)と対戦する。同SU5の今井大湧もシングルス、伊藤則子と組む混合ダブルスの2種目で優勝を目指す。
(取材・文・撮影/荒木美晴)