【ジャパン国際】小川、中村は敗戦のなかにも手ごたえ、昨季クラス変更の大山は接戦制し「自分にしかできない戦い方を」

勝利はならなかったものの、粘り強いプレーを発揮した男子SL4の小川=東京体育館(撮影/植原義晴)

「ヒューリック・ダイハツJapanパラバドミントン国際大会2026」が8日、東京体育館で開幕した。日本からは男女あわせて12人がエントリーしており、いずれも10月のアジアパラ競技大会に出場予定だ。9日は各クラスの予選リーグが行われた。東京体育館がパラバドミントンの大会会場となるのは初で、一部選手に天井の高さや風の流れなどに戸惑いがありながらも、女子SL3の河合紫乃(セイリン)、同WH1の里見紗李奈(NTT都市開発)、男子WH2の梶原大暉(ダイハツ工業)らシングルスの各クラスの第1シード勢は順当に勝利をおさめ、存在感を示した。

ジャパン国際は3度目の出場となる男子SL4の18歳・小川航輝(東京エネシス)はインドの選手と対戦し、18-21、14-21で敗れた。第1ゲーム序盤はラリーを制して連続得点に成功し、試合を優位に進めたが、次第にミスが重なり逆転を許した。第2ゲームも序盤から先行されるなか、中盤で2点差まで追い上げたものの、あと一歩及ばなかった。

小川は小学1年でバドミントンを始め、中学1年の7月に部活動後に脳梗塞を発症。右半身に麻痺が残ったが、左手にラケットを持ち替えてバドミントンに復帰した。2024年のジャパン国際で公式戦デビューを果たしたことを機に、海外ツアー転戦にも挑戦。昨年12月の日本選手権では悲願の初優勝を遂げるなど、国内では結果を残してきた。男子SL4の世界レベルは高く、さらなる高みを目指す小川は、今年から企業に所属してアスリート活動に専念。「オンコートでの練習の強度はもちろん、どう時間を有効に使えばよいかを考えながら取り組めるようになった。初戦に続いて負けてしまったけれど、今日はラリーができる場面もあったし、成果が出たかな」と振り返り、成長を誓っていた。

世界2位との対戦で刺激を受けた中村。「今の実力を全部出し切りたい」と語る

女子SL4の中村鈴(精華女子短期大)は、世界ランキング2位のレアニ・ラトリ・オクティラ(インドネシア)と対戦し、14-21、5-21で敗れ、予選リーグを1勝1敗とした。敗れたものの、「ラリーを意識した」という中村は、パラリンピック2大会連続銀メダリストを相手に競りあう場面をつくり、「コートの使い方や冷静さを学べた」と振り返った。

1歳で脳梗塞を発症し、右半身に麻痺が残った中村は、中学校では駅伝部に所属。バドミントンは高校進学後に始め、高校2年でパラバドミントンに転向した。現在は福岡を拠点に活動し、競技を始めて4年でアジアパラの出場権をつかんだ。初出場となるアジアパラに向けて、「緊張はすると思うけれど、それでも落ち着いて自分らしくプレーができたら」と話す中村。その前哨戦ともいえる今大会でも、「今の実力をここで全部出し切りたい」と意気込んだ。

大山は「自分にしかできないハイブリッドな戦いを」と意気込む

男子WH2では、大山廉織(KOMPEITO)がイスラエルの選手と対戦し、24-22、20-22、21-9で接戦を制した。序盤は緊張から動きが硬く、第1ゲームを先取したものの、第2ゲーム後半には弱気なプレーが出て奪い返された。しかし、第3ゲームは気持ちを切り替えて自らしかけて主導権を握ると、終盤まで精度の高いショットで相手を追い込み、勝ち切った。

昨季、WH1からWH2にクラス変更となった大山。WH1の前はもともとWH2でプレーしており、両クラスを経験したことで改めて自身の強みと課題が見えてきたという。「WH2に戻り、体幹周りの力や腹筋が不足していると痛感した。そこを強化することでプレーの安定感は出てきたし、課題だった溜めの部分も意識する余裕が少し出てきたかな」と振り返る。

さらに、「WH1は大きくゆっくり組み立て、粘り強くミスしない戦い方。WH2はそこに低く速い展開が加わってくる。そのハイブリッドの戦いかたができるのは自分にしかできないと思っている。相手が嫌になるような試合をしたい」と、力強く語った。

(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)