水泳 — 2021/5/21 金曜日 at 23:17:35

【ジャパンパラ】富田、鈴木がパラ代表に内定!

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男子400m自由形(S11)の予選で東京パラ派遣基準記録を突破し、初の代表内定を決めた富田宇宙=横浜国際プール(撮影/植原義晴)

東京2020パラリンピックの日本代表推薦選手選考会を兼ねた「World Para Swimming公認2021ジャパンパラ水泳競技大会」が21日、横浜国際プールで始まった。

富田宇宙(日体大大学院)は、男子400m自由形(S11)予選を4分33秒26で泳ぎ、東京パラ派遣基準記録を突破し初の代表に内定。レース後は、「世界選手権で内定を勝ち取れず、今回の選考会で絶対に一番に内定を獲得するという想いでレースに臨んだ。すごく嬉しい」と、時折声を詰まらせながら語った。

世界選手権後は思うような泳ぎができず、苦しみながらトレーニングを続けてきた。そのなかで結果を出せたのは、「不調が続いていても応援し、支えてくれる周囲の人たち、遠くから声をかけてくれる皆さんの想いが後押ししてくれたから」と話す。

東京パラの開催は新型コロナの影響で1年延期となり、世間では開催に対してさまざまな意見が交錯し、パラを目指すアスリートとして心苦しさも感じている。「さまざまな障害の選手がコンプレックスやハンデを乗り越えて残された能力を最大限にぶつけあって競争する世界。パラリンピックは、それを『面白い』と思って見てもらえる力があって、それを最大限発揮できるのが東京大会だと信じてやってきた」と富田。さらに、「その意義を私もずっと信じてきて、競技を通じてみなさんに伝えたいと思っているけれど、今はそれを受け取っていただくのが難しい状況になってきた」と胸の内を吐露する。今夏の本番に向けては、「私はとにかく本番のその日まで、結果と記録の更新を目指して、努力を絶やさずやっていく、ただそれだけです」と力強く結んだ。

鈴木は男子200m自由形(S4)で派遣基準記録を突破。パラリンピックは5大会目となる

また、男子200m自由形(S4)に出場した鈴木孝幸(GOLDWIN)は決勝で2分57秒35をマークし、派遣基準記録を突破。5大会目のパラリンピック出場を決めた。イギリスを拠点に活動する鈴木は5日に帰国。隔離生活を送りながらトレーニングを積み、今大会に臨んだ。

予選の3分5秒42から一気にタイムを短縮。自身が持つ日本記録には4秒ほど及ばなかったが、「(東京パラまでの)これからの3カ月間で調整すれば、自然とタイムは上がっていくと思うので心配はしていない。いま同じタイミングでヨーロッパ選手権も開催されていて、僕のクラスの選手がいいタイムを出している。道のりは険しくなるばかりだが、ライバルのことに左右されず、自分の出来る限りのトレーニングを積んで、あきらめずに金メダルを目指して頑張りたい」と話し、前を向いた。

ロンドン2019パラ水泳世界選手権で優勝し、すでに代表に内定している山口尚秀(四国ガス)は男子400m平泳ぎ(SB14)予選で1分4秒00をマークし、自身が持つ世界記録を更新した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)