パリ2024パラリンピックの日本代表選考会を兼ねた「2024日本パラ水泳春季チャレンジレース」は10日、静岡県富士水泳場で第2日目が行われた。
男子100mバタフライ(S11)は東京2020パラリンピック金メダルの木村敬一(東京ガス)が1分3秒03、銀メダルの富田宇宙(EY Japan)1分3秒99をマークし、それぞれパリ2024パラリンピックの派遣基準記録Aを突破した。木村は2006年の北京パラリンピックから5大会連続出場。富田は東京パラに続き、2度目の出場となる。また、鈴木孝幸(GOLDWIN)は男子100m自由形(S4)で1分23秒13を記録し、初日の男子50m自由形に続いて派遣基準記録Aをクリアした。
木下あいら(三菱商事)は女子200m個人メドレー(S14)を2分25秒92で泳ぎ、派遣基準記録Aを突破した。2022年から本格的にパラ水泳の大会に参加するようになり、昨年8月の世界選手権では2種目でアジア新記録を樹立するなど成長を続ける。初めてのパラリンピック代表に内定した木下は、「ほっとした。パリでは積極的なレースを観てほしい」と力強く語った。
パリパラ代表推薦選手22人が決定
2日間のレースの結果、6人が派遣基準記録Aを突破し、パリパラリンピック代表に内定した。大会後、日本パラ水泳連盟と日本知的障害者水泳連盟は日本代表推薦選手選考委員会を開き、昨年の世界選手権を制した山口尚秀(四国ガス)に加え、派遣基準記録Bを突破した選手などから、残り15人を選出した。
男子400m自由形(S9)をアジア新記録で制した中学3年の川渕大耀(宮前ドルフィン)も代表に内定した。今大会はこの400m自由形に照準を合わせていたこともあり、2日目の100mバタフライと200m個人メドレーは自己ベスト更新には至らなかったが、200m個人メドレーの「MQS突破再チャレンジレース」にトライしてタイムを縮めるなど、意欲を見せた。川渕は「(すでに400m自由形で派遣基準記録Bを突破しているので)再チャレンジレースに出場しない選択肢もあったけれど、パリ本番は予選と決勝があるので、2本泳ぐことをイメージした。1本目よりタイムを上げることができてよかった」と語った。
6月30日までにワールドシリーズ大会に参加するという条件つきとなるが、初めてのパラリンピックに向け、「メインの400m自由形で今回以上の記録を出したい」と意気込みを語った。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)