静岡県立水泳場で開かれているパラ水泳の国際大会「パラ水泳ワールドシリーズ富士-静岡2026」は30日、各種目の予選・決勝が行われ、日本勢が好成績をおさめた。
男子400m自由形では、山田龍芽(S6)が予選で自己ベストを10秒以上更新する5分39秒22をマーク。愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会の派遣基準記録Aを突破し、目標とする舞台へ大きく前進した。昨年の同大会で国際大会デビューを果たした中学2年生は、「去年と同じように緊張はしたが、今年はレースでは気持ちを切り替えられた。本当にうれしい」と笑顔を見せた。
同種目予選では、同じ組で泳いだ久保大樹(S10)、南井瑛翔(S10)、富田宇宙(S11)がそろってアジアパラ派遣基準記録Aを突破。富田は「国内で多くの人に見てもらう機会。結果を出して盛り上げたい」と語った。南井は専門外のこの種目で結果を出し、最終日の100m背泳ぎとバタフライへ弾みをつけた。
S9クラスのアジア記録保持者である川渕太耀は、予選で4分24秒64をマークして全体の5位で通過。パリ2024パラリンピック競技大会以降、パワー強化によって体重を5キロほど増やした成果を見せた。決勝ではタイムを落としたものの、ユースカテゴリーでは1位となった。
女子400m自由形では、松永琴寧(S10)が予選を5分28秒79で泳ぎ、アジアパラ派遣基準記録Aを突破。自己ベストからは3秒ほど遅く、「最後のスパートまで体力が持たなかった」と課題を挙げながらも、「最終日のメイン種目である100m背泳ぎにつながるレースになった」と前向きに振り返った。また、400m自由形初挑戦の川辺多恵(S10)も予選でアジアパラ派遣基準記録をクリアした。
男子100m平泳ぎでは、世界記録保持者の山口尚秀(SB14)が予選をトップで通過。決勝では自身の世界記録に0.39秒差まで迫る泳ぎで優勝を果たした。木村敬一(SB11)も予選でアジアパラ派遣基準記録をクリアし、決勝ではさらにタイムを伸ばして4位に入った。
女子100m平泳ぎ決勝では、木下あいら(SB14)が優勝し、芹澤美希香(SB14)が3位に入った。前回のアジアパラ杭州大会で同種目を制した芹澤は、木下の復帰を喜び、「1月のレースも今大会の初戦も一緒だった。『おかえりなさい』とハグした。彼女が居るのと居ないのとでは全然違う。追いつけるように頑張りたい」と話した。
また、決勝進出は逃したものの、笠本明里(SB13)が予選を1分34秒99で泳ぎ、アジアパラ派遣基準記録Aの突破。「良かった」と笑顔を見せた。2018年のジャカルタ大会以来となるアジアパラ出場を目標に掲げ、「今年は日本開催。支えてくれる人たちに競技する姿を見てもらいたい」と想いを語った。
男子50m平泳ぎでは、鈴木孝幸(SB3)が49秒41で優勝し、日本勢の活躍を締めくくった。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)
MA SPORTS 代表者、ライター