車いすテニス — 2022/4/29 金曜日 at 13:33:14

車いすテニス15歳の小田凱人がプロ宣言

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オンラインでプロ宣言の記者会見を行った小田凱人(右)とマネジメントを行うトップアスリートグループの貝吹健車いすテニス強化本部長

2020年に車いすテニス18歳以下の頂点を決める世界ジュニアマスターズを史上最年少の13歳で制した小田凱人(東海理化電機製作所)が28日、オンラインでプロ宣言の記者会見を開いた。

昨年4月下旬には、14歳でITF車いすテニスジュニアランキング(boys)の1位に輝き、シニアの大会にも出場。男子の世界ランキングも9位と急成長を遂げている。今春、中学を卒業し、通信制の高校に進学して練習時間がより確保できるようになったことや、サポート体制が整ったこのタイミングでプロ転向を決意したといい、小田は「テニスを始めたころから憧れたプロ選手に15歳でなれたことを嬉しく思う。病気の子どもたちのヒーロー的な存在になれるよう頑張りたい」と言葉に力を込めた。

男子の世界ランキングでも史上最年少1位を狙う(現在の記録は、アルフィー・ヒューウェットの20歳1カ月23日)

2006年5月8日生まれ。サッカーに熱中していた9歳の時に左股関節に骨肉腫が見つかり手術を受けた。短い距離なら歩けるが、長距離は車いすを利用する。入院中に国枝慎吾(ユニクロ)が金メダルを獲得したロンドンパラリンピックの車いすテニス男子シングルス決勝の動画を観て興味を抱き、退院後すぐに競技をスタートした。

現在の練習拠点は岐阜インターナショナルテニスクラブ。これまで指導を受けてきた熊田浩也コーチが専任コーチを務め、より充実した練習に励む予定だという。

5月2日にポルトガルで開幕する世界国別選手権「2022 BNP Paribas World Team Cup」(WTC)の男子日本代表に選出され、6月には四大大会のひとつである全仏オープンに出場予定だ。世界トップランカーのみ出場できるグランドスラムの車いすテニスの部は、男女ともエントリー数は「8」だが、今季の全仏オープンは「12」に拡大され、小田も出場権を獲得した。「WTCは優勝が目標。日本を盛り上げるためにも代表としていいプレーをしたい。全仏のクレーは得意なサーフェスなので勝利できるよう頑張りたい」と、意気込みを語った。

(取材・文/荒木美晴)