車いすテニス — 2023/4/24 月曜日 at 0:22:26

【JO2023】日本人対決の男子、天皇杯は小田の手に! 女子は上地が準優勝

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16歳の史上最年少で優勝を果たした小田==いいづかスポーツ・リゾートテニスコート(撮影/植原義晴)

「天皇杯・皇后杯 第39回飯塚国際車いすテニス大会(Japan Open 2023)」は23日、男子と女子のシングルス決勝が行われ、男子は第1シードの小田凱人(東海理化)が眞田卓(凸版印刷)に3-6、6-1、6-4で逆転勝利し、大会初優勝を果たした。

第1セットは、眞田がスピードのある小田のショットを丁寧に打ち分け、着実にポイントを重ねていく。第2セットに入ると、小田は調子が上がったサーブから試合のリズムを取り戻し、第4ゲームと第6ゲームのブレークに成功。ファイナルセットは互いにサービスゲームをキープする拮抗した展開が続くが、第7ゲームで小田が眞田のゲームポイントを2本しのいでブレークし、4-3とリードする。その後も互いに主導権を譲らず、激しい攻防を繰り広げたが、最後は3度目のチャンピオンシップポイントで眞田のリターンがアウトになり、熱戦に幕を下ろした。

小田は試合後、「1セット目を取られた後、自分のテニスができたのは良かった。大勢の観客の前で、決勝で日本人対決を実現できてうれしいし、単複とも勝てたので、“自分の大会”にできたかなと思う」と笑顔を見せた。また、眞田は「悔しいけれど、非常にいい試合ができた」と振り返り、16歳の小田に対して「身体能力が高く、日々成長を感じるプレーヤー。今年1月の全豪で対戦した時よりも、サーブとリターンの精度が上がっていると感じた。今年に入ってから3度目の対戦だったけれど、特別な試合になった」と話し、前を向いた。

常に努力と挑戦を続ける上地

女子シングルス決勝は、上地結衣(三井住友銀行)がディーデ・デ フロート(オランダ)に0-6、4-6で敗れ、準優勝だった。デ フロートをはじめ海外勢のパワーへの対策として、3月下旬に競技用車いすを新調し、実戦で乗るのは今大会で3大会目の上地。世界ランキング1位を独走するデ フロートのボールの強烈な威力や回転量に対応できず、第1セットはゲームを奪えず落としてしまった。しかし、第2セットはしっかりと調整し、緩急を織り交ぜてコース奥の深い場所へ打ち込みブレークすると、第8ゲームをラブゲームで奪取。セットカウント4-4に持ち込んだ。だが、その後は厳しいコースに打ち分けられて再びリードを許し、追いつくことができなかった。

上地は「新しい車いすで今後、どういうふうにアジャストして使いこなせるか。自分に合うかどうか(わかるのは)はこれからだけど、今回出場してよかった。ワールドチームカップもあるし、クレーコートのシーズンも始まる。全仏オープンのローランギャロスはパリパラリンピックの会場になるので、この椅子でクレーコートでどれだけ力を発揮できるか楽しみ」と話した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)