車いすテニス — 2025/10/17 金曜日 at 20:25:11

【木下JO大阪2025】高室姉妹、田中らが準決勝進出! 上地は左手痛のため棄権

by
シングルス準々決勝でストレート勝ちをおさめた高室侑舞=モリタテニスセンター靭(撮影/植原義晴)

「木下グループ・ジャパンオープン車いすテニスチャンピオンシップス2025」が16日、大阪市のモリタテニスセンター靭で開幕した。今年はシングルスが16ドロー、ダブルスが8ドローに拡大している。競技2日目の17日は、シングルス準々決勝とダブルス準決勝が行われた。

シングルスでは、第4シードの高室侑舞(SBCメディカルグループ)が世界ランキング55位でロンドン・リオパラリンピックに出場した堂森佳南子(SKY)と対戦し、6-2、6-2で勝利した。高室は第1セットの第1ゲームをブレークすると、第2ゲーム以降もサービスエースやウィナーを量産。好調を維持し、準決勝に挑む。

第2シードで世界ランキング13位につける田中愛美(長谷工コーポレーション)は、同89位の浅野由佳理(フリー)を6-0、6-2で退けた。浅野とは2017年のダンロップ神戸オープン以来の対戦。相手のワイドサーブにしっかりと対応し、守りから攻めに転じるプレーもあり、「自分らしいプレーができた」と胸を張った。準決勝では、高室侑と対戦する。19歳の高室侑は、昨年の全米オープンの車いす女子ジュニアの部で単複優勝を果たし、現在はシニアの世界ランキングを23位まで上げている注目株だ。田中は次戦に向けて、「成長中の選手なので油断はしない。これまで2連勝しているが、私が一度も負けていないということが相手のプレッシャーになっていくと思うので、自分のメンタル面でも優位性を保てるように、明日はきっちりと勝ちたい」と意気込みを語った。

世界ランキング14位で高室侑の実姉である高室冴綺(スタートライン)は、同27位の岡野莉央(中京大)を6-4、6-4で下し、準決勝に駒を進めた。

ケガのため棄権を決断し、観客にコメントを寄せた上地

なお、世界ランキング1位で第1シードの上地結衣(三井住友銀行)は、左手の痛みのため準々決勝を棄権した。第1試合が始まる前にセンターコートに姿を見せ、マイクを握った上地は、「悔しい。今年も大阪の皆さんの前でプレーすることを楽しみにしていた。左手をしっかり治して、次の大会でよいパフォーマンスをお見せしたい」と観客に語りかけた。不戦勝となった松岡星空(日本ガイシ)は、準決勝で高室冴と対戦する。

ダブルスは準決勝が行われ、第1シードの高室冴・田中組が深山知美(フリー)・須田恵美(DC1)組に6-0、6-0で、また第2シードの岡野・高室侑組が堂森・松岡組に6-3、6-3でそれぞれ勝利した。

(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)