車いすラグビー — 2019/10/17 木曜日 at 22:54:41

【WWRC2019】日本、強敵フランスに勝利!

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ボールをキープし、するどい眼差しで突破をはかる島川=東京体育館

「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」は17日、予選リーグが行われ、プールAの日本はフランスに51-42で勝利。開幕から2連勝とし、準決勝進出を決めた。

この日は、障害が重い選手と軽い選手を組み合わせた「ハイローライン」で試合を展開した日本。島川慎一(3.0)の連続得点で早々にリードを広げると、強いプレッシャーで相手のミスを引き出し、ターンオーバーなどで点を重ねた。

「大会後半はハイローラインの起用が中心になると考え、この試合はいくつかのラインナップを使おうと思っていた」と日本代表のケビン・オアーHC。長谷川勇基(0.5)や乗松隆由(1.5)ら伸び盛りのローポインターのプレー時間が長くなり、連携プレーで乱れる場面もあったが、島川や池透暢(3.0)ら経験豊富なメンバーがしっかりフォロー。オアーHCは「フランスのラインによく対応できていた」と評価した。

ベンチから選手たちと一緒にメンバーを鼓舞するオアーHC

今大会は、東京都内の公立学校の校外学習の場として、生徒たちが観戦招待され、会場で大声援を送っている。コートにいる選手が仲間やベンチの声が聞こえないというシーンもあったが、日本はオアーHCがディフェンスの指示を色のついたカードで示すなど、工夫をしてコミュニケーションを取っていた。

アテネ大会から4大会連続でパラリンピックに出場している島川は、「選手同士の声が聞こえづらいのは初日にわかっていたし、今日の試合で改めて認識できた。来年の東京パラ本番もこうなると思うし、対策はできた」と冷静に振り返った。

18日の予選リーグ最終戦で対戦する世界ランク4位のイギリスは、ヨーロッパ選手権を3連覇している強豪。今年に入ってから世界1位のオーストラリアや、同3位のアメリカに土をつけるなど好調だ。大会前、このイギリスを要注意国に挙げていた池は、「彼らの勢いをいかに止めるかが日本の飛躍のカギとなる。ここで叩いておきたい」と話し、気を引き締めていた。

<17日の試合結果>
■プールA
日本 51-42 フランス
イギリス 57-35 ブラジル

■プールB
カナダ 54-61 オーストラリア
アメリカ 60-40 ニュージーランド

(取材・文・撮影/荒木美晴)