車いすラグビー — 2019/12/21 土曜日 at 11:32:47

新星・TOKYO SUNS、 大会4連覇狙う沖縄が好発進

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BLITZの島川慎一(左)の激しいタックルからボールを守るTOKYO SUNSのヘイデン・バートン=千葉ポートアリーナ

「三井不動産 第21回車いすラグビー日本選手権大会」が20日、千葉ポートアリーナで開幕した。クラブチーム日本一を決める大会で、地区予選を勝ち上がった8チームが出場。2つのプールに分けた総当たりの1次リーグがスタートした。

今大会の注目は、今年発足したTOKYO SUNS。10月の車いすラグビーワールドチャレンジでも日本代表のエースとして活躍した池崎大輔(3.0)、ローポインターの今井友明(1.0)らが所属し、ニュージーランド代表のヘイデン・バートン(3.0)も加入したとあって、ライバルチームから警戒されている。

そのTOKYO SUNSは初戦で、8度の優勝経験を誇る強豪BLITZと対戦。序盤から拮抗した試合となるが、第2ピリオドは相手にインターセプトを許し、得点されるなどリズムを失う。4点を追いかける展開で後半に突入すると、TOKYO SUNSは攻撃的なディフェンスにシフト。第3ピリオド、BLITZのペナルティからボール所有権を奪うと、池崎が時間を目いっぱい使ってゴールし、ついに終了間際に33-33の同点に追いつく。第4ピリオドはさらに厳しいプレッシャーをかけてミスを誘い、ターンオーバーから連続得点。一気にリードを広げて48-42で勝利した。

ヘッドコーチを兼任する池崎は試合後、「まだ自分たちでゲームを作れない。より密なコミュニケーションが必要」としながらも、「チームワークを強化してきた。闘争心を持って戦っていく。今大会は優勝、それしかみていない」と語った。

トライを決めるOkinawa Hurricanesの上与那原

リオパラリンピック日本代表の仲里進(2.5)率いるOkinawa Hurricanesは北海道 T×T Big Dippersを54-33で下し、大会4連覇に向け好発進。チームには今年、経験豊富なローポインター・若山英史(1.0)、現役カナダ代表で得点源であるザック・マデル(3.5)が加入。さらに、パラ陸上で活躍する上与那原寛和(3.0R)も4月からメンバーに加わり、この日の試合にも出場した。

沖縄のパラアスリート同士、交流が深い仲里と上与那原。新しいトレーニングを取り入れたいと話す上与那原を仲里が誘い、実現した。上与那原は今年の世界選手権の400mと1500m(T52)で上位に入り、東京2020パラリンピックの代表内定を得ているトップレーサーで、重量のある“ラグ車”の操作で培ったパワーが陸上のスタート時の加速と車輪を押し込む力に役立ったという。メインは陸上で車いすラグビーは強化の一環という位置づけになるが、「ポテンシャルはすごいものを持っている」と仲里。「去年はチームに選手が5人しかいなくて、つぶれてしまうかもという状況だった。バルさんが入ることで僕らも刺激を受けるし、沖縄県民も注目してくれる。相乗効果が出たらいいなと思います」と笑顔を見せていた。

大会は22日までで、観戦無料。21日に予選8試合とクロスオーバー4試合、22日に順位決定戦と決勝戦が行われる。

(取材・文・撮影/荒木美晴)