〈東京パラリンピック〉車いすラグビー/混合予選グループA/日本57―53オーストラリア(8月27日、国立代々木競技場)
車いすラグビーの予選最終戦が27日に行われ、日本がパラリンピック2連覇中の強豪・オーストラリアを57-53で破り、3戦全勝のA組1位で準決勝進出を決めた。オーストラリアは2位で予選通過。日本は28日の準決勝で、B組2位のイギリスと対戦する。
日本は序盤から丁寧に点を重ね、第2ピリオドも13-11と2点差をつけてスタート。しかし、インバウンドからのパスを相手に読まれて連続失点し、攻防は徐々に激しさを増していく。徹底マークされる池崎大輔(三菱商事)は相手ハイポインターの2人に囲まれ、ゆく手を阻まれるが、背後からフォローに入った池透暢(日興アセットマネジメント)にバックパスを出すファインプレーで危機を回避した。オーストラリアにもパスミスがあり、再び日本が2点をリードして後半に突入。第4ピリオドに入っても日本は集中力を保ち、高さと馬力でトライを量産してきたオーストラリアの3.5点のクリス・ボンドを、日本の0.5点のローポインター、長谷川勇基(ソシエテ・ジェネラル証券)がブロックするなど、全員ディフェンスで王者の動きを封じた。
準決勝で対戦するイギリスは、A組で難敵のカナダとニュージーランドを破って勝ち上がった。日本は2019年の東京パラの前哨戦ともいえる「車いすラグビーワールドチャレンジ」で対戦し勝利している。キャプテンの池は「不気味な相手」と警戒するが、宿敵を破って決勝トーナメントに進出した日本の実力は確かだ。準決勝では、この5年間の成長の証をぜひ見せてほしい。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)