〈東京パラリンピック〉競泳/女子100m背泳ぎS2決勝 他(8月25日、東京アクアティクスセンター)
競技初日を迎えた25日、日本選手団のメダル第1号は水泳の山田美幸(WS新潟)だった。女子100m背泳ぎ(S2)決勝を2分26秒18で泳ぎ、銀メダルを獲得。レース後は「とても興奮しています。うれしい」とコメントし、笑顔を見せた。
山田は日本選手団の最年少の14歳。前回のリオ大会をテレビで観て本格的に競技をスタート。あこがれの大舞台にも臆することなく全力で泳ぎ切り、「楽しかった」と振り返った。生まれつき両腕がなく、長さの違う脚でキックし、身体を力強く動かして泳ぐ。決勝はスタートから飛び出し、前半を2番手で折り返すと、そのまま勢いをキープしてフィニッシュした。
また男子50m平泳ぎ(SB3)は、パラリンピック5大会目の鈴木孝幸(ゴールドウィン)が49秒32で銅メダルを獲得した。実力拮抗のスター選手がそろった決勝。鈴木はスタートの素早い飛び出しから前半25mまではトップを維持。30m手前で右のレーンを泳ぐローマン・ズダノフ(RPC)に抜かれ、最後はスペインの選手に刺されたが、予選トップで世界ンランク1位のエフレム・モレル(イタリア)には0.1秒差で競り勝った。
なお、優勝したズダノフは46秒49で世界記録を1秒更新する圧巻のレースだった。
鈴木は前回のリオ大会は4位入賞が最高。今大会は「出場する種目すべてでメダルを獲る」ことを目標に臨んでいる。有言実行の納得のレースに「表彰台に戻れてよかった。最後まであきらめずにいこうと思って泳いだ結果がメダルにつながった」と、晴れ晴れとした表情を見せた。鈴木は自由形と個人メドレーの4種目にもエントリーしている。報道陣に金メダルへの想いを聞かれ、「もちろん狙っている。まだ4種目あるし、金を目指して頑張りたい」と、力強く語った。
(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)