
「2025ジャパンパラ車いすラグビー競技大会」が6日、千葉ポートアリーナで開幕した。パリ2024パラリンピックで金メダルを獲得した日本、銅メダルのオーストラリア、同5位のフランス、同4位で東京2020大会金メダルのイギリスの4カ国が参加し、世界トップクラスの熾烈な戦いを繰り広げる。
今大会、日本代表は池透暢(3.0)や中町俊耶(2.0)らパリ大会の金メダルメンバーに加え、19歳の青木颯志(2.5)ら若手選手も選出。女子選手では倉橋香衣(0.5)のほか、月村珠実(1.5)も選ばれている。キャプテンは橋本勝也(3.5)と乗松聖也(1.5)の2人が務め、これまで代表のアナリストを担当していた中谷秀樹氏がヘッドコーチとして指揮している。
開幕戦となった日本対フランスは、50-46で日本が勝利。日本はオーストラリアとの試合も57―46で勝利し、2連勝とした。それぞれ、メンバー全員が出場し、さまざまなラインを試した。池は「ロスに向けて若手選手の可能性を広げる大会だと思う」と話し、「2カ国に対して、ラインナップを変えても強化してきたディフェンスが通用したと思う」と手ごたえを口にした。また、橋本は「今までベテラン勢が活躍してくれたから、今僕たちがコートに立てている。若手選手が成長し、先輩たちに『託せる』と言ってもらえるチームにしたい。そのために自分が先頭に立ってやっていきたい」と力強く語った。
なお、1月1日より車いすラグビーのルールが一部変更になった(1年間は試験期間)。たとえば、ファウルを犯した選手に科せられるペナルティが60秒から30秒に短縮、インバウンドやドリブル、キーエリアにオフェンスが留まれる時間は10秒から8秒に短縮された。また、これまでコート上のオフェンスチームの選手が30秒のタイムアウトを4回取れていたが、これがなくなり、チームタイムアウトが前後半それぞれ3回になった。

新ルールで実施される日本国内の大会はこのジャパンパラから。中谷HCは新ルールについて「他国も同じ条件」と前置きしたうえで、「たとえばドリブルが10秒から8秒になる点については、日本はディフェンスが得意なのでこの2秒でターンオーバーが起きやすくなると思う」と話す。また、試合については「池と橋本のラインを分けたり、若い選手とベテランが組んで、国際大会でどこまで戦えるか試したい」と語った。
大会は9日まで行われる。
(取材・文・撮影/荒木美晴)