
都立施設では初の通年型アイスリンク「東京辰巳アイスアリーナ」(江東区辰巳2丁目)が6日に開業した。1993年にオープンし、東京2020オリンピックや数々の国際大会で使用され、水泳の「聖地」として親しまれてきた東京辰巳国際水泳場を改修。国際規格を満たすメインリンク(60m×30m)とサブリンク(47×17m)の2つのリンク、仮設を含めると最大5,000席となる観客席を備えている。フィギュアスケートやアイスホッケー、ショートトラック、カーリング、パラアイスホッケー、車いすカーリングの6競技が利用可能競技となっている。
サブリンクでは、車いすカーリングのデモンストレーションと体験会が行われた。ミラノ・コルティナ2026パラリンピックの混合ダブルスで日本代表に内定している小川亜希と中島洋治が精度の高い投球を披露すると、観客や参加者から歓声と拍手が送られた。中島は「首都圏に施設ができたということで、カーリング競技の人口が増えればいいなと思う」と語った。またこの日は、パラリンピックまであと半年というタイミング。小川は「3月のパラリンピックに向けてチーム一丸となってピークを調整して上げていきたい」と、言葉に力を込めた。

また、メインリンクではパラアイスホッケーのスレッジ体験も行われた。指導役として中村俊介と永井涼太が参加し、体験者にスレッジの漕ぎ方やパックの扱い方を丁寧に伝えていた。
メインリンクの設備面では、プレーヤーベンチとペナルティボックスのフェンスに透明のアクリル板が使われ、選手がスレッジに座った状態でもリンクの様子が見えるよう工夫されている。また、プレーヤーベンチおよびペナルティボックスとリンクの段差は数センチに抑えられ、選手の出入りがスムーズにできる仕様になっている。12月にはパラアイスホッケーの国内最高峰の大会であるクラブ選手権が、ここ東京辰巳アイスアリーナで開かれる予定だ。中村は「新しい氷でプレーするというのは、フレッシュな気持ちになると思う。大会を楽しみにしている」と語った。
(取材・文・写真/荒木美晴)