ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会は現地時間の9日、パラアイスホッケーの予選リーグ第2戦が行われ、B組の日本は世界ランキング2位のカナダに0-14で敗れた。これで2連敗となり、準決勝進出の可能性がなくなった。
日本はフェイスオフからパックをつないで先にシュートまで持ちこむ場面を作ったが、相手にパックを奪われると速攻から先制を許す。第1ピリオドは20本のシュートを浴びて6失点。会場から「ニッポンコール」が送られるなか、第2ピリオドは3点を失ったものの、守備の距離感を修正して耐える時間も増え、またGK堀江航の好セーブがチームを鼓舞した。しかし、最終ピリオドにさらに5得点を許し、完封負けとなった。
守備で奔走した石川雄大(DF)は、「近いところから打たれないように意識はしていたが、プレッシャーをかけても崩されて後手に回ってしまった。戦術の修正力の強さや決定力の違いを実感した。切り替えて、次戦はしっかり勝ち切りたい」と話した。
個人のスキルに加え、高精度の連携プレーで試合を支配するカナダに対し、日本はアタッキングゾーンに攻め込む機会が少なく得点を奪えなかった。一方で、チーム最年少の河原優星(FW)は初戦のチェコ戦に続いて出場し、プレー時間を大きく伸ばして積極的な攻撃で存在感を示した。また、女子選手として初めて日本代表に選ばれた福西朱莉(DF)も、第2ピリオドの終了直前に出場。プレータイムは6秒だったが、DF登録ながらフェイスオフでセンターフォワードを任されるなど、話題を集めた。
河原は生まれつき両脚の太ももが極端に短い障害がある。スポーツに触れる機会は多くなかったが、小学6年の時に学校の先生の勧めで選手発掘事業「J-STARプロジェクト」を知り、参加を決意。同じ日本代表の須藤悟(DF)や吉川守(FW)らベテランの指導を受けて急速に成長した。1月のイタリア・トリノ遠征で代表に初選出されると得点も挙げて自信をつけた。中北浩仁監督も「次世代チームづくりの要になる選手」と期待を寄せる16歳は、10日のスロバキア戦に向けて「自分が得点を取ってチームを勝たせる」と、力強く語った。
福西は、メンバー交代で氷上に上がると、日本の応援団から「アカリ!」と大きな声援を受けた。今大会唯一の女子選手として注目されるが、強みは「ホッケーIQの高さ」にある。小学生でアイスホッケーを始め、大学2年まで競技を継続。2021年に交通事故で下肢に障害を負ったが、パラアイスホッケーの体験会への参加をきっかけに育成選手となり、メキメキと頭角を現した。戦術理解や広い視野を持った連携プレーにはこれまでの経験が活き、2025年には女子パラアイスホッケー世界選手権として合同チームの一員としてプレー。その実績が評価され、パラリンピック日本代表入りを果たした。
福西は試合を振り返り、「氷上で強豪チームのスピードや力の差を感じたかったので、出場機会がほしいとアピールしていた。6秒だけのプレーだったが、フェイスオフは絶対に負けないという責任と緊張感を持って臨んだ。点差はついたが、内容は悪くなかったと思うので、次戦につながる」と話し、前を向いた。
(取材・文/荒木美晴、写真/植原義晴)
MA SPORTS 代表者、ライター