パラアイスホッケー世界選手権Aプールの予選リーグが27日、スタートした。Bグループの日本はチェコと対戦し、0-8で敗れた。
現地時間の土曜日の午後3時開始ということもあり、有料席ながら会場はチェコの観客でほぼ満席に。国旗や手書きの応援ボードが所せましと掲げられる完全アウェーのなか、試合は始まった。先制点を挙げてリズムに乗りたい日本だったが、第1ピリオド2分52秒、逆にチェコに得点を許すと、強化してきたはずのマンツーマンの守りが崩れ始める。立て続けに失点を重ねると、会場はますますヒートアップし、最終ピリオドは大量4点を献上してしまった。
試合後は、中北浩仁監督が選手に喝を入れたといい、取材エリアでも「チェコが地元の声援を力にすることはわかりきったこと。それなのにミスをし、今日はベテラン組のセットで点を取られている。ずっとやってきたことができていない。きちんと考え、強い気持ちを持たないと」と悔しさをにじませた。
予選リーグ同組の第1試合で、イタリアがスウェーデンに4-0で勝利しているため、8失点の日本が上位に食い込むには、まずは明日のイタリア戦でできるだけ点数をとって勝利することが求められる。気持ちを切り替え、走り負けない日本らしいプレーを見せてほしい。
開幕戦となったイタリア対スウェーデンの試合のレフェリー(主審)は、日本人の山口壮太郎さんが担った。山口さんは1年前の平昌パラリンピックにもレフェリーで出場している。現在はアメリカ在住で、今大会の前にパラアイスホッケーの国内大会などで笛を吹いてきたといい、冷静かつ正確なジャッジで試合を裁いていた。今大会は、「もうひとりの日本人」の活躍にも注目したい。
(取材・文・撮影/荒木美晴)