「第1回 パラアイスホッケー日韓交流戦」が15日、北海道札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開幕した。日本代表は11月に韓国に遠征し、昨年の北京パラリンピック最終予選以来、約1年ぶりとなる公式戦を経験。その舞台を日本に移し、17日までの3日間で3試合を行う。
15日の第1試合は、1-2で日本が韓国に逆転負けを喫した。試合序盤から守備を固め、世界3位の韓国の動きを封じていく日本。両チーム無得点で迎えた第2ピリオドの5分51秒、那須智彦(東海アイスアークス)が相手から激しくマークされるなかコーナーから出したパスに、ゴール前に詰めていた石川雄大(東京アイスバーンズ)が合わせて、鮮やかな先制ゴールを決めた。
最終ピリオドも日本が試合のペースを握って展開していく。だが、8分20秒に同点弾を入れられると、試合終了39秒前に一瞬のスキを突かれてカウンターを許し、スピードのあるチョン・スンファンに決められた。
試合後、勝利のチャンスがあっただけに悔しさをにじませる日本の選手たち。石川は、「最後に一気にひっくり返されて負けたのは反省点。相手が格上だろうが、勝ち切らないと」と、唇を噛んだ。一方で、終盤まで守りから攻撃の形を作れたことについては「チーム全体として成長できていると思う」と、うなずいた。石川は1月に腎臓移植を受け、一時期リンクから離れていたが、国際試合では今大会からカムバック。復帰戦での得点については、「自分の思う通りのシュートができたのは気持ちよかったし、嬉しかった」と、笑顔を見せていた。
繁泉が代表デビュー
今年3月の北京パラリンピック出場を逃した日本代表。次回のミラノ・コルティナダンペッツォ大会を目指し、新チームで強化に取り組んでいる。今大会で初めてJAPANのユニフォームに袖を通した19歳の繁泉鯉句(北海道ベアーズ)は第1ピリオドに出場し、日本代表デビューを果たした。プレータイムは短かったが、「いい経験になった」と話した。
第1セットで起用された2歳年下の伊藤樹(ロスパーダ関西)の活躍にも刺激を受ける。「やっと一緒に戦えた。同じくらいに競技を始めた人たちがどんどん上に行く姿を見て、自分も成長しなければと思っていた。まだ実力が足りないけれど、もっとうまくなって、今度は伊藤選手と同じセットでプレーしたい。今日、その気持ちがさらに強くなった」と語り、前を向いた。
(取材・文・撮影/荒木美晴)