【バンクーバーパラリンピック】<順位決定戦> パラ初出場のチェコが5位と大健闘

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延長戦にもつれこんだ死闘を制したチェコチーム。笑顔で集合写真におさまった/撮影:吉村もと

現地時間19日は、順位決定戦が行われた。正午からは、7・8位決定戦を実施。イタリア対スウェーデンの対戦となったこのカードは、イタリアが4-0で勝利した。また、午後3時半から行われた5・6位決定戦は、ともにパラリンピック初出場の韓国とチェコが対戦。互いに猛攻をしかける接戦となったゲームは、延長戦にもつれこみ、チェコが制した。

7・8位決定戦 イタリア 4-0 スウェーデン

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キャプテンとしてチームを引っ張ったイタリアのAndrea CHIAROTTI(FW)

試合は、序盤から両チームの攻守が激しく入れ替わる形で進んだ。こうちゃく状態を打ち破る先制点を挙げたのはイタリア。スウェーデンのゴール裏のフェンス際で、スウェーデンのディフェンスがクリアしようとしたパックをWerner WINKLER(FW)がブロック。そのままパックを奪ってシュートを決めた。その後、スウェーデンも猛攻を見せるが、激しい当たりに痛恨のペナルティをとられ、キラープレー中の13分25秒にイタリアに追加点を許した。

第2ピリオドはともに無得点で終わり、迎えた最終ピリオドは、両チームともに疲れもピークに達したためか動きがスローに。だが、第1ピリオド同様に決定的なチャンスの場面でしっかりとシュートを放ったイタリアが、中盤と後半に1点ずつ追加してリードを広げ、試合を決めた。

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最後まで大きな声援を送っていたスウェーデンの応援団

今大会、怪我による選手の戦列離脱などでメンバー構成に苦しむことになったスウェーデンは、この試合もMarcus HOLM(FW)、Niklas INGVARSSON(DF)、Aron ANDERSON(FW)、 Rasmus LUNDGREN(DF)の4選手は、ほぼ交代なし。45分間通してリンクに立ち、チームを引っ張った。この試合に敗れ、結果は最下位の8位。不本意な結果に終わった。だが、リレハンメル大会で金メダルを獲得するなど、もともとはスレッジホッケーの基盤がある国だ。今後の奮起に期待したい。

◆第一試合スコア
イタリア 2-0-2=4 

スウェーデン 0-0-0=0

5・6位決定戦 チェコ 2-1 韓国

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攻守に活躍を見せた韓国のYoung-Jae CHO(DF)

5・6位決定戦に進んだチェコと韓国。予選リーグでは、チェコが韓国に4-2で勝利している。この試合は、両チームとも攻撃的なプレースタイルで攻めあがり決定的なチャンスを作るが、互いのディフェンスとゴールキーパーがファインプレーを連発。第2ピリオドまで、ゴールを割らせなかった。

試合が動いたのは、最終ピリオド。2分59秒、韓国のSang-Hyeon PARK(FW)が空を切り裂く強烈なミドルシュートで先制点を入れた。対するチェコも、ここから反撃。7分24秒に、スピードのある2選手が相手ディフェンスを引きつけているすきに、Erik FOJTIK(FW)がゴール前に詰め寄り、落ち着いて同点弾を決めた。その後、両チームとも猛攻をしかけるが決着がつかず、試合は延長戦へともつれこんだ。

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決勝点を決めたチェコのMichal GEIER(FW)

プレーヤーは4人で攻撃する延長戦。ここでも互いに得点を狙ってパックをゴール前に集めるが、決定打が出なかった。しかし2分16秒、チェコが放ったシュートを韓国のゴールキーパー・Hyuk-Jun CHOIが一度は大きくはじいてクリアしたが、そのパックをチェコが拾い、そこから細かくつないだパスを受けた、Michal GEIER(FW)が鋭いシュートで決めた。

熱戦を制し、大喜びのチェコチーム。会場から送られる暖かい拍手に、選手はベンチのスタッフとともに両手を挙げて応えていた。

◆第二試合スコア
チェコ 0-0-1ー1=2 

韓国 0-0-1-0=1

(取材・文/荒木美晴、撮影/吉村もと)