長野市のビッグハットで行われているアイススレッジホッケージャパンパラリンピックは14日、競技2日目を迎えた。日本対アメリカ戦は、両チームとも決定打が出ないまま終盤へ。その後、5分間の延長戦でも決着がつかず、ゲームウイニングショット対決にもつれこむが、後攻の日本は3本ともすべて失敗。2本目を決めたアメリカが勝利した。
開始早々から攻撃を仕掛けてきたのは、アメリカ。スピードを活かした速いペースのオフェンスで、日本のフォーメーションが崩され、ゴール前に攻め込まれた。昨日のノルウェー戦で4得点を挙げた上原大祐(FW)も徹底マークされ、無得点のまま。日本は第2ピリオドの中盤以降、昨日に続きマスクを被った永瀬充(GK)のファインセーブと、須藤悟(DF)や石田真彦(DF)らディフェンス陣の踏ん張りにより、ゴールを死守して少しずつ流れを呼び戻すが、最後のシュートにつながらない我慢の時間帯が続いた。
反撃の糸口がつかめないまま迎えた、最終ピリオド。日本は闘志を前面に出し、集中力をキープ。積極的にゴールを狙った結果、逆にペナルティを受け、相手に3度のパワープレーのチャンスを与えてピンチに立つが、ここも全員プレーで切り抜けた。そして、無得点のまま、試合は5分間の延長戦に突入。しかし、ここでも決着がつかず、2分間の休憩をはさんで、両チーム3名ずつによるゲームウイニングショット対決へともつれこんだ。
先攻のアメリカは1人が成功。2本をはずしている日本の運命は、最後のシューター・高橋和廣(FW)に委ねられたが、アメリカの守護神・Steve Cash(GK)の見事な反応によって阻止され、勝利はならなかった。
試合後、日本の中北浩仁監督は、「ディフェンスを強化して、センターにつなぐ動きを練習してきたが、今日はそれが機能しなかった。こう着状態を打ち破る決定力の強化が課題です」と、無念さをあらわした。一方で、「(突破力のある)アメリカをピリオド内を無得点に抑えたことは評価できるし、明日につながると思います」とも話し、予選最終戦となる明日のカナダ戦に向けて、気持ちを切り替えていた。
また、第1試合のカナダ対ノルウェーの試合は、5-1でカナダが勝利。試合が大きく動いたのは、両チームとも無得点で迎えた第2ピリオド。2分20秒にカナダが先制点を挙げるも、5分39秒にはカナダの反則でノルウェーにペナルティショットが与えられ、Bjoernstad Helge(DF)が落ち着いて決めて同点に。しかし、残り5分の間にカナダの主軸・Bradley Bowden(FW)とBilly Bridges(FW)の活躍で、一気に3点を追加。第3ピリオドにもダメ押しの1点を入れたカナダが圧勝した。
2日目を終え、現在は勝ち点5のカナダがトップ、続いて日本が同4で2位、カナダが同3で3位、ノルウェーが同0で4位となっている。15日は、予選の最終戦が行われる。16時からアメリカ×ノルウェー、18時半から日本×カナダ。
試合結果/第一試合
・ノルウェー 0-1-0=1(得点:Bjoernstad Helge)
・カナダ 0-4-1=5(得点:Marc Dorion・Bradley Bowden2・Billy Bridges・Jeremy Booker、アシスト:Bradley Bowden・Raymond Grassi・Marc Dorion)
試合結果/第二試合
・日本 0-0-0-0=0 GWS:0
・アメリカ 0-0-0-0=0 GWS:1(Chris Manns)
(記事:荒木美晴)