カナダ・バンクーバーで開催されているアイススレッジホッケーカナダカップに出場している日本は、現地時間の26日にカナダと対戦し、2-6で敗れた。ともに全勝で臨んだ予選最終戦。打倒・カナダに燃える日本は先制点を挙げるも、カナダの追い上げに苦しみ、逆転負けを喫した。27日はオフのため、試合はない。
日本のゴールキーパーは、ここまでセーブ率95%、4チームナンバーワンの数字を誇る永瀬充。試合前は、今大会のリンクのベンチが段差の無い氷で出来ている特徴を十分に生かして、日本チームの苦手とする試合中の交代を多く行い、試合後半に起こる息切れを無くすという意思確認が行われ、さらに世界王者のカナダの先発に対して日本も1セット目をぶつける、正攻法ガチンコの勝負を臨んだ。
アメリカ、ドイツに連勝と波に乗る日本は、試合開始直後から相手陣地にパックを持ち込み、試合を有利に展開。第1ピリオド5分49秒には、敵陣コーナーからのチャンスを上原大祐(FW)から高橋和廣(FW)へとつなぎ、先制点を決めた。今大会はじめてカナダから先制点を奪い、動揺を与えたかに思えたが、日本に不利なレフリングもあり、ラスト30秒で相手のパワープレーの場面で、同点のゴールを押し込まれた。
第2ピリオドは開始4分過ぎに、上原が不可解なインターフェアランスでペナルティを取られ、キルプレーの間にカナダに2点目を許す。その後、キルプレー明けには上原の意地のゴールで再度同点に。しかし、その30秒後に再び失点し、またもや相手にリードされるなど、一進一退の攻防がつづいた。
2-3で迎えた最終ピリオド。日本は序盤からセットチェンジを頻繁に行い、カナダに猛攻をしかけた。しかし、高橋と伊藤仙孝(FW)が続けざまにペナルティを取られた後に、4点目を失う。ここで緊張の糸が一気にくずれ、またここまで3名登録で交代のきかない苦しい状況のなか鉄壁のディフェンスを見せていたDF勢の疲れも限界に達し、この後1分間の間にたて続けにさらに2点を奪われた。最後は、この大会初出場の柴大明(FW)と海外大会初出場の石井英明(FW)にアイスタイムが与えられたところで、試合が終了した。
シュート数に関しては、日本15本、カナダ14本と、日本が互角以上の数字を残した。セットチェンジも十分とはいかないまでも、今まで以上に機能した。青木栄広コーチによると、試合後、選手はカナダのラフプレーに精神的な疲れは残りつつも、第3ピリオド10分まで互角に戦ったという手ごたえを感じている様子とのこと。次の試合は現地時間の28日に行われるセミファイナルのアメリカ戦。青木コーチは、「2度目も勝利し、実力差が決定的だということを見せつけたい」と話している。
試合結果
・日本 1-1-0=2(得点:高橋、上原 アシスト:上原、遠藤、高橋)
・カナダ 1-2-3=6
(原稿・写真提供/青木栄広日本代表コーチ、編集/荒木美晴)