世界選手権予選リーグ 日本対チェコ 日本が劇的勝利!バンクーバーパラの出場が確定

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ゲームウイニングショット対決でファインセーブを連発し、日本を勝利へ導いた”守護神”永瀬充

現地時間の10日の第四試合は、日本対チェコの試合が行われた。両チーム無得点で迎えた延長戦でも決着がつかず、試合は今大会初のゲームウイニングショット対決へ。先攻の日本は遠藤隆行(DF)が決め、またゴールキーパー・永瀬充がチェコの3本のシュートをすべて阻止。劇的な勝利をおさめた。日本は2試合を終えて、2勝(延長、ゲームウイニングショット)とし、全勝のカナダに次いで予選リーグ2位を死守。上位4チームに入ることが確定し、バンクーバーパラリンピックの出場を決めた。

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果敢にゴールを狙う遠藤隆行選手

今大会からAグループの世界選手権に昇格したチェコとは、日本は初対決。世界ランキングでは日本が格上ではあるが、チェコは初戦でカナダを相手に0-3と善戦したことからもわかるように、急成長を遂げているチームだ。中北浩仁監督が言うように、「忍耐力が求められる厳しい試合になる」ことを想定し、気を引き締めて試合にのぞんだ。

第1ピリオド開始直後、動きの硬い日本は、パスミスやパックに集まる癖が出て、ペースをつかめずにいた。5分が過ぎると徐々に落ち着きを取り戻し、残り時間2分半ごろには激しく体を当ててくる相手選手2名の反則を引き出し、パワープレーのチャンスを作り出すなど、ゲームメークし始めた。しかし、得点には結びつかず、0-0のまま終了。

2ピリ目に入ると、日本はDFの三澤英司をセンターフォワードに起用し、2セット目の攻撃力を強化。コートを広く使い、パスを大きくつないでシュートに持ち込み、さらにディフェンス陣も鉄壁の守りでゴール前を死守して、流れを完全に引き寄せた。だが、ここでもネックになったのが決定力不足。最終ピリオドでも試合を決められず、また5分間の延長戦でも得点できずに終わり、今大会初のゲームウイニングショット対決へともつれ込んだ。

ゲームウイニングショットは、サッカーのPK戦と同じで、まずは両チームから選ばれた3名ずつがそれぞれシューターとなり、ゴールを狙うというもの。日本のゴールキーパーは永瀬充。チェコのゴールキーパーは、延長戦を含め日本の18本のシュートをすべておさえているVapenka Michal。ともにこの試合では素晴らしい反応を見せている“守護神対決”に注目が集まった。

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試合終了の瞬間、好セーブを見せた永瀬選手に集まる日本選手たち

先攻・日本の一人目は、遠藤隆行(DF)。スピードを活かしたパックさばきで鮮やかに決め、期待に応えた。日本の二人目の高橋和廣(FW)、三人目の上原大祐(FW)はVapenka Michalに止められたが、チェコも二人が失敗。そして、運命の三人目は、会場中のチェコ応援団から背中を押され挑戦するが、そこは経験豊富な永瀬のここ一番の集中力と技術が上回り、見事に阻止。苦しく長い戦いに決着をつけた。勝利が決まった瞬間、選手らはベンチを飛び出し永瀬のもとへ。そこには、笑顔と涙が入り混じった歓喜の輪ができていた。

日本側のベストプレーヤーに選ばれた永瀬は試合後、「最後までみんなの集中力が切れなかったのが良かったと思う。そして、最後に遠藤が決めてくれて、日本に流れが来た。この展開で勝てたことが大きいと思う。予選最後のカナダ戦も勝って、ファイナルに進みたい」と話し、自信をのぞかせた。

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試合終了後、歓喜の円陣を組む日本選手団

中北監督は、「チェコは敵ながらあっぱれな強さだった。本当にみんな最後までよく耐えたと思う。そして、念願のバンクーバー行きが、トップ4(上位4カ国)で決められたことは何より大きい。明後日からの試合は、少し肩の荷が降りて、思いっきりプレーできるんじゃないかな」と語り、笑顔を見せていた。

現地時間の11日は、練習日となっている。日本は12日の19時から、予選最後のカナダ戦に挑む。

(原稿/荒木美晴 撮影/吉村もと)

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