現地時間の13日、プレイオフ第二試合は、韓国対チェコ戦が行われ、チェコが5-1で韓国を下した。チェコは今大会6位以上が確定し、パラリンピック初出場を決めた。この試合の結果を受けて、15日の順位決定戦は、イタリア×チェコ、ドイツ×韓国のカードとなった。
試合は第1ピリオド序盤から、両チームともに前線にパックを送るスピーディーな展開になった。チェコは今大会を通してまだ得点していないことから、攻撃力のある韓国が優勢かと思われた。しかし、先制点を挙げたのはチェコ。10分20秒に、Berger Jiri(FW)がブルーラインあたりから空を切り裂くロングシュートを放つ。韓国GK・Hyuk Jun Choiが反応してグローブの先端にパックを当てるが、パックのスピードが勝りゴール。チェコチームにとって、今大会初得点となった。
勢いに乗るチェコはその後も、ゴール前の混戦から2度ゴールネットを揺らしたが、いずれもハンドの判定。命拾いした韓国が、2ピリの10分34秒、パワープレーで相手ゴール前に攻め込みシュート。チェコのGK・Vapenka Michalが一度はじいたパックを、Byeong Seok Cho(FW)が執念でねじ込み、同点とした。
このあと、チェコが再び得点し、1点リードで迎えた最終ピリオド。一段と動きの良くなったチェコは、リンクを広く使い、パスを細かくつなぐスタイルでゲームメーク。34秒にはHabi Zdenek(FW)が、スピードを活かして一人でゴール前にパックを持ち込みシュートを決めた。一方の韓国は、4分25秒に追加点を献上したあと、何度も得点チャンスを作るが決定打が出ない。6分にゴールキーパーをYoung Hoon Jungに代えるが、13分15秒にチェコのキラープレー中に得点を許した。
試合終了間際まで、両チームとも死力を尽くし、激しい攻防を繰り広げたが、ついに終了のブザーが鳴り、チェコの勝利が確定。その瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、「バンクーバーパラリンピック出場決定」のアナウンスが鳴り響いた。厳しい試合を戦い抜いた選手はスティックやヘルメットを投げ捨て、ベンチから飛び出したスタッフらとも抱き合って喜びに浸った。
(原稿/荒木美晴 撮影/吉村もと)