現地時間16日の15時半から、三位決定戦の日本対カナダの試合が行われた。銅メダル獲得を目指し、気合いを入れて臨んだ最終戦。先に流れをつかみたい日本は、序盤から攻撃のきっかけを作ろうとするが、カナダの当たりの強いチェックにチャンスをつぶされ、得点できず。第1ピリオドにカナダに先制点を許し、さらに2ピリにも追加点を挙げられて、0-2で敗れた。カナダが銅メダルを獲得、日本は4位に終わった。
チームの攻撃の要・Billy Bridges(FW)をメンバー登録からはずしたカナダ。「このチャンスの時に、何としても勝っておきたかった」と中北浩仁監督が言うように、メダル獲得に向けて、追い風が吹くはずだった。しかし、準決勝のノルウェー戦では通ったパスも、王者・カナダには通用しない。攻撃の起点になるはずのパスがことごとくカットされ、先にペースをつかまれた。4分53秒にゴール前で構えるTodd Nicholson(FW)にパスを合わされ先制点を許した。
得点が欲しい日本は、2ピリ以降は攻撃ラインを立て直し、相手陣地に攻め込んだ。しかし、シュートは単発で終わり、ゴール前で粘ることができない。逆にカナダに猛攻を受け、しのいだ後にぽっかりと空いてしまったスペースを狙われ、追加点を入れられた。2ピリ終了7秒前には、吉川守(FW)が一人で持ち込みチャンスメイク。渾身のシュートを放つが、ゴールキーパーに阻まれ、得点には至らなかった。
最終ピリオドも、緩急をつけたカナダの攻撃に、防戦一方。ディフェンスラインの踏ん張りで失点こそなかったが、日本も無得点に終わり、試合終了。メダル獲得はならなかった。
日本の主将・上原大祐(FW)は、「相手のチェックが速かったことで、ゴール前で慌てすぎた。そしてフォワードも、決めるべきところで得点できなかったのが敗因。日本はタテのつなぎが弱いので、そこを強化しないといけない」と反省を口にした。
また、中北監督は「今日は決定力不足以前の問題。悔しいというより、ふがいない。課題はたくさん見えてきた。日本は面ではなく、ピンポイントでしか戦えないところがまだ弱い。最初からパックが手につかない場面も多かった。相手がどこであろうと、攻撃に100%ではなく、“間”をとりながら戦えるようにしなければいけない」と話し、世界との差を認めた。一方で今大会を振り返り、「予選2試合を落とさず、目標のパラリンピック出場を決めたことは評価したい」と語った。
(原稿/荒木美晴 撮影/吉村もと)