「2010ジャパンパラリンピックアイススレッジホッケー競技大会」の決勝で、日本はアメリカと対戦。果敢にシュートを狙うが、アメリカのパワーと堅い守りに得点できず、0-3で敗れた。また、試合終了後にバンクーバーパラリンピックの代表選考が行われ、15名の選手が発表された。
最終日は、地元長野からはもちろん、東京などから約500人の観客が会場に駆けつけた。大きな声援を受け、はじまった試合だったが、終始アメリカペースの展開に。第1ピリオド、怒涛のシュートラッシュをDFラインとGK永瀬充が粘り強く守るが、ペナルティによる一人少ない場面で失点。先制点を奪われた。
第2ピリオドには、開始早々の44秒にアメリカの22歳の若きエース・Alexi Salamone(FW)にシュートを決められ、さらに10分39秒には再び日本のペナルティによるキラープレーから、追加点を許した。日本も、スピードのある伊藤仙孝(FW)や遠藤隆行(DF)を中心に前へ出るが攻めきれず、最終ピリオドまで無得点。一矢報いることができなかった。
中北監督は、「直前のクラブ選手権の疲れもあり、2ピリ目から走れなくなった」と話し、またアメリカのRay Muluta監督も「アメリカが3セットでまわすのに対して、日本は2セット。日本は疲れて、我々のスピードについてこれなかったのでは」と分析。スタミナ調整の難しさが浮き彫りになったと同時に、得点力不足はバンクーバーに向けて大きな課題となった。
また、閉会式終了後に、バンクーバーパラリンピック日本代表選手15名とスタッフが発表された。永瀬(GK)、石田(DF)、吉川(FW)、三澤(FW)は長野大会から4大会連続出場。初出場は、中村(DF)、伊藤(FW)、円尾(FW)。日本代表選手は以下のとおり。
◆日本代表選手
【ゴールキーパー】
福島忍・永瀬充
【ディフェンス】
石田真彦・中村稔幸・須藤悟・遠藤隆行
【フォワード】
円尾智彦・吉川守・安中幹雄・馬島誠・三澤英司・矢口敦也・高橋和廣・上原大祐・伊藤仙孝
◆日本代表スタッフ
監督/中北浩仁
ジェネラルマネージャー/青木久和
アシスタントコーチ/青木栄広
広報兼アシスタントコーチ/高橋泰彦
チームマネージャー/小山幸子
用具マネージャー/羽田野哲也
トレーナー/佐々木千絵・牧伸哉
(取材・文/荒木美晴 撮影/吉村もと)