陸上 — 2020/9/6 日曜日 at 0:43:13

復調の山﨑が混戦の男子やり投を制す!

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男子やり投(F46)を制した山﨑晃裕は、60m09のビッグスローでセカンドベストをマーク=熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(撮影/植原義晴)

「WPA公認第31回日本パラ陸上競技選手権大会」が9月5日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開幕した。

東京パラ出場を目指すライバル対決に注目が集まった男子やり投(F46)は、山﨑晃裕(順天堂大職員)が最終投擲で60m09を出し、混戦を制した。4投目で高橋峻也(日本福祉大)にトップに立たれたが、「面白くなってきたな」と冷静に巻き返した。60m台を記録したのは2018年以来。会心の一投に雄叫びをあげた山崎は、「(世界選手権で7位に終わった)昨年の悔しさは、一度も忘れたことはない。それを晴らせたわけじゃないけれど、次につながる一投になったと思う」と振り返った。

この結果、東京パラ出場を争う世界ランキングは7位から圏内の5位に浮上した。高橋は58m98で同6位、3番に入った白砂匠庸(あいおいニッセイ同和損保)は56m91で同8位にピタリとつける。山﨑は「まだ戦いは終わっていない。上位は団子状態なので、もっと上に行きたい」と、今回の復調を足がかりに、さらなる飛躍を誓った。

女子走幅跳(T64)は昨年の世界選手権で金メダルを獲得した中西麻耶(阪急交通社)が、自身が持つアジア新記録を19㎝更新する5m70をマークし、優勝した。目標としていた5m80に届かず「課題が残った」としながらも、ダイナミックな跳躍は健在。コロナ禍で普段使用している競技場が使えなくなったが、「志は変わらない」と、ピーキングを維持しながら河川敷や公園で走力を磨いた。今後はさらにスピードを生かした踏切を強化し、最高のパフォーマンスを追求していく。

走幅跳ではアジア新記録を樹立した湯口。この種目での世界との差はまだ大きいが、「少しでも東京パラ出場に近づけるように頑張りたい」と話す

両脚義足の湯口英理菜(T61/日体大)は、200mの自己ベストを5秒近く更新する42秒27で優勝。女子T61は世界的にみても競技人口が極めて少なく、湯口が世界記録を持つ100mと200mは東京パラでは実施されないため、T63と混合で実施される予定の走幅跳で出場を目指す。「同じクラスの選手と競り合うことはできないけれど、気にしていない。走り幅跳びではT63の選手に追いつきたい」と話し、前を向いていた。

パラスポーツ界においては、コロナ禍のなかで行われる初めての全国規模の大会。密状態を避けるため無観客とした。選手の動線に細心の注意を払い、携帯用の消毒液やフェイスシールドを配布したほか、ボランティアや審判員の数も通常の3割ほど減らし、メディアに対しても2週間の健康チェックを義務付けるなど、感染予防対策を徹底している。日本パラ陸上競技連盟の三井利仁理事長は初日の競技終了後に取材に応じ、「厳しく管理しているが、一人ひとりがきちんとコロナ対策の意識を持つことが大事」とコメント。「ミーティングはこれからだが、選手の受付方法でウェブチェックインを推奨するなど、もう少し工夫が必要かもしれない」と改善の余地についても言及した。

(取材・文/荒木美晴、撮影/植原義晴)