パラバドミントン — 2017/9/10 日曜日 at 2:49:26

車いすの山崎、立位の浦、鈴木、藤原がシングルスで決勝進出

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女子車いすWH2のシングルスで決勝に進出を決めた山崎悠麻=向日市立総合体育館(撮影/佐山篤)
女子車いすWH2のシングルスで決勝に進出を決めた山崎悠麻=向日市立総合体育館(撮影/佐山篤)

「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2017」は9日、競技3日目を迎え、それぞれのクラスで決勝トーナメントが行われた。

女子車いすの山崎悠麻(調布市役所/WH2)がシングルスの準々決勝、準決勝ともストレートで勝利し、10日の決勝進出を決めた。また立位では、男子上肢障がいの浦哲雄(SU5/グリーンスタンプ)、女子上肢障がいの鈴木亜弥子(SU5/七十七銀行)、男子下肢障がいの藤原大輔(SL3/LINE)も、それぞれシングルスでファイナルに駒を進めた。

スピードを活かしたチェアワークで世界に挑む小倉
スピードを活かしたチェアワークで世界に挑む小倉

山崎は今大会、シングルスとダブルス(WH1-WH2)、ミックスダブルスの3種目にエントリー。初日と2日目は1日4試合、9日は5試合をこなした。タフなトーナメントを勝ち進んだ自信を胸に、シングルス決勝では世界ランキング1位のアムノイ・ワットゥタン(タイ)に挑戦する。

そのワットゥタンを準決勝でフルゲームまで追い詰めたのが、小倉理恵(東芝インフラシステムズ)だ。相手は前に落とすショットの精度が高く、ファイナルゲームはその切り替えに対応しきれず敗れたが、試合中は得意のチェアワークで粘り、クリアでラリーに持ち込むことができた。

「これまで彼女にかなわなかったけれど、1ゲームとることができた。日本では今は山ちゃん(山崎)が引っ張ってくれていて、自分もそこに一生懸命ついていけば世界は見えてくると思っている。切磋琢磨しながらレベルアップし、今後世界の頂点を山ちゃんと争いたい」と力強く話した。

女子立位の豊田まみ子(ヨネックス/SU5)は、シングルスとダブルス(SL3-SU5)、ミックスダブルスにエントリー。メダルが期待されたシングルスでは1勝を挙げられず、予選で敗退。ダブルスで決勝トーナメントに進出したが、準々決勝で逆転負けを喫した。「1個もメダルが獲れずに終わり悔しい」と涙を見せた豊田。それでも、「今大会、(普段対戦する機会が少ない強敵の)中国の選手と全部対戦できたのはありがたい。良い経験をさせてもらった。これからしっかり練習したい」と話し、前を向いた。

素早いフットワークで粘りをみせる今井
素早いフットワークで粘りをみせる今井

男子立位の若手のホープ・今井大湧(日体大)は、シングルス、ダブルスとも準決勝で姿を消した。シングルスではマレーシアの世界ランキング1位の選手にストレートで敗れた。「マレーシアの選手とは3回目の対戦。1度も勝ったことがなかったので絶対に勝ちたかったが、意識しすぎてしまった」と今井。また、浦と組んだダブルスでは、序盤からリードするも第2ゲームで逆転を許し、ファイナルゲームもリズムを掴みきれないまま、悔しい敗戦となった。

(取材・文/荒木美晴、撮影/佐山篤)